人事制度は 「評価シートづくり」 に始まり、「評価シートづくり」 に終わる !
8回シリーズの5回目です。
第5ステップ・・・・・・勤務態度の決定
この決定は意外と難しいですよ。 理由は3つあります。
その1……「全人格」、つまり人間そのものの評価をしようとすることです。
例えば、「積極性」 で説明すると、評価対象者の 「人生における積極性」 の評価をしてしまいます。
四六時中、いつも365日の積極性を求めたら、5段階評価で 「5」 の評価になる社員は1人もいません。
そのために、積極性を求めるということは、具体的にどんな行動においてなのかを確認しておいて欲しいのです。
積極性の定義づけを明らかにしておかないと、上司は評価しづらくなり、部下も抽象的であいまいになり理解しづらくなります。
その2……この項目は、将来、御社において 「組織風土」 となり、評価シートの中から除かれていくべきものということです。
例えば、「規律性」 で説明すると、「遅刻や無断欠勤をしない。決められた時刻・決められた日に出勤する」 ことに定義づけたとしましょう。
もし、この定義づけのまま、3年間も評価シートに入っていたとすればおかしいと言えます。
なぜならば、遅刻や無断欠勤がいけないという価値観が組織に当たり前として定着すれば、上司が指導する前に先輩・同僚が注意するようになるはずです。
出来て当たり前になれば、評価シートの中にはその項目はいらなくなります。
つまり、評価シートに何年間も同じ定義づけで入っていることは組織的な問題ということです。
個々の社員の問題ではないと言えます。
その3……部署ごとに必要とされる勤務態度が違うことがあります。
当然です。それは一朝一夕に形成されたものではないからです。
しかし、もし初めて評価シートをつくるのであれば、少なくとも第1回目は同じ勤務態度項目を設定して欲しいのです。
なぜならば、全社員の関心を同じことに注目させると同時に、部署別にバラツキのある組織風土の統一を図りたいからです。
以上の3つのことに注意しながら、目標を実現するために望ましい勤務態度はどうあるべきかを決めてください。
項目数は2〜4つ位が適当です。
このステップまでで、全社員が 「どう育って欲しいのか」 ということが決まったことになります。
続きは、12月1日に掲載予定です。
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新・人事制度研究会/近藤経営労務事務所
社会保険労務士 近藤 昌浩