人が集まり組織ができると、2・6・2の法則が成立します。
あなたの会社でも例外ではありません。
◇上位の2割の社員
この2割の社員は、優秀な社員として、常に現場で様々なことに挑戦しています。
マーケットの状況もよく把握しています。
今後、何が課題なのかも鮮明になっています。
この層の社員には、思いきったことをやらせた方が良いです。
管理不要の層と言えます。
◇中間の6割の社員
この6割の層は、まあまあの社員として、やるべきことの重要業務は分かっています。
しかし、上位の2割の社員ほど、仕事のコツが理解されていません。
その優秀な社員の仕事のやり方を習得し、実行すれば成果はすぐに上がります。
そのことが理解されれば、その分だけ設定する目標は高くなります。
そして、課題も最初から鮮明になっています。
◇下位の2割の社員
この2割の社員は、これからの社員として、やるべきことの重要業務をやっていません。
本人は一所懸命という気持ちはあるでしょうが、やるべきことをやらない限り成果は出ません。
それを、本人にしっかり理解させることです。
間違っても、やる気の問題にしてはいけません。
やるべきことをやりきった時は成果が出ることを御社の実例で理解できれば、目標設定値は高くなります。
この各社員の目標を設定した数値、例えば売上高を合計すると、会社全体の目標値になります。
そこで、その目標が達成された時の全体の処遇(昇給・賞与)を発表するのです。
例えば、目標売上高が合計で10億円だとしましょう。
その目標売上高の達成に合わせて、
●目標100%を達成したときは、
昇給は平均2%
賞与は平均2.0ヵ月分
●目標110%を達成したときは
昇給は平均3%以上
賞与は平均3.0ヵ月分以上
●目標100%を達成しなかったときは
昇給は平均1%未満
賞与は平均0.5ヵ月分未満
この数値は、会社全体のものですから、個々の社員の処遇(昇給・賞与)にも言及しなければなりません。
そして、正しく理解して欲しいことがあります。
この達成評価は、目標達成率ではありません。
目標達成率で処遇を決めたら、高い目標を掲げることはありません。
ここでは、成長シートによる成長評価基準で処遇を決めます。
成長シートは、
●成果の実現度
●重要業務の遂行度
●知識・技術の習熟度
●勤務態度の遵守度
の4項目になっています。
この中の成果項目のみで説明すると次の通りです。
●成果項目の成長評価基準(成長評価要素は売上高)
5点・・・1億円以上
4点・・・8千万円以上
3点・・・6千万円以上
2点・・・4千万円以上
1点・・・4千万円未満
このケースで2人の社員を比較してみることにします。
●A社員
・目標売上高1億円
・実績売上高9千万円
・目標達成率90%
※この社員の成長評価点数は4点となります。
●B社員
・目標売上高4千万円
・実績売上高6千万円
・目標達成率150%
※この社員の成長評価点数は3点となります。
あくまでも成長評価は、絶対値で行うのです。
目標達成率ではありません。
だから、社員にとって高い目標を設定することに何のデメリットもありません。
次号に続きます。
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近藤経営労務事務所
社会保険労務士 近藤 昌浩