社員は高い目標を立てても何の不利益もないことが分かると、平気で高い目標を立てるようになります。
ある社長は言いました。
「それじゃ、目標が空手形になってしまうよ」
「根拠のない数字を積み重ねて会社全体の目標にしたら、経営が不安定になるじゃないか」
誰もがそう思うでしょう。
1つ問題が解決したら、また新たな問題が発生します。
これも心配はいりません。
各社員の目標設定の根拠を分析すれば良いのです。
目標設定するということは、
@現在の実績と目標のギャップを把握すること
例えば、前年の実績売上高が8千万円で、
今年の目標売上高は1億円であれば、ギャップは2千万円です。
Aそのギャップを分析して課題を鮮明にすること
例えば、重点顧客の深耕度が低いこととなります。
Bその課題の解決策を検討すること
例えば、現在の重点顧客との未取引商品を鮮明にし、提案を実施します。
その提案書は現在社内で共有化されたものを使います。
そして、ここからが重要です。
Cその解決策が妥当性のあるものか、分析すること
この課題の解決策によって、本当に目標が達成されるか検討するのです。
最初から 「そんなことでは目標達成できない」 というのであれば、
この解決策は妥当性がないのです。
これで確かに目標達成できるぞ、と膝を打つものでなければなりません。
決して難しいことではありませんが、これをやらないので目標達成できたときも、
「なぜ目標達成できたのか」 という質問に対して 「 頑張りました」 というだけで、
何をやったのか、組織上分からないのです。
Dその解決策が実行可能なものか分析すること
確かに妥当性があることは分かりました。
しかし、実際に実行できなければ意味がありません。
計画倒れになってしまいます。
毎月のように、「計画を実行していません」 という社員を見かけますが、
これでは計画立案の意味がありません。
このことを事前に分析することは避けて通れません。
ここまで5つの段階を経て、初めて目標設定になるのです。
この段階では、上司と部下のコミュニケーションは良好です。
特に、部下が目標設定を本気で語っているときは会話が活発になります。
部下も 「ありがたい」 と思ってくれます。
さあ、これで目標管理がスタートできます。
目標管理制度の内容は、
1.目標設定
2.達成管理
3.業績管理
の3つの要素から成り立っています。
「1.目標設定」 は、今回で終了しました。
次回は、 「2.達成管理」 を3回シリーズでご案内します。
「人事制度の仕組みづくり」 で社員の成長と業績向上の支援をいたします。
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近藤経営労務事務所
社会保険労務士 近藤 昌浩