すべてのプロジェクトリーダーの皆さんが、
「討議がなかなかまとまらなくて難しかった」 と話されます。
でも多くの場合は、“よくここまでまとめられたものだ” と心から脱帽します。
我が社の良いと感じているところと、問題と感じているところがハッキリしています。
良いところは、これからもっと強くしていくことであるし、問題点は自分たちで解決していくことです。
これがハッキリしない限りは、先に進めません。
そして、問題点の多くは、社長ではなく、社員が解決できることだと気がつきます。
ここまでまとめあげても、プロジェクトリーダーは不安が生じます。
そのときは、この人事制度づくりの目的を思い出してください。
『人事制度は社員を成長させる仕組み』 ということです。
その仕組みをつくっているのです。
その目的に向かっていることさえ確認できれば、問題が発生しても怖くありません。
問題が発生するたびに、プロジェクトメンバーと一緒に解決してください。
人事制度に取り組むすべての会社には、プロジェクトリーダーを任される人財がいます。
その人たちの多くは、社長に感情移入できるので、電話で話していても、社長の立場に成り変わって意見を話してもらえます。
こういう方が人事制度づくりのプロジェクトリーダーになると、プロジェクトはどんどん進みます。
社長も安心です。
今回、人事制度づくりで参考にしてもらいたいことが3つあります。
@ とにかく始めることです。
始めなければ本当の問題は分かりません。
まだ見ていない問題を心配しても仕方がありません。
A プロジェクトミーティングでは、本音で語り合うことです。
自分の入社した会社です。
素晴らしい会社にしたいと思えば思うほど、いろいろな問題が見つかります。
問題点は多い方がありがたいです。
そのためには、本音が出なければ時間の無駄です。
建前のミーティングを100時間やっても、意味がありません。
B 100%の品質を目指さないことです。
すべての仕組みづくりの重要なポイントは、完璧を目標(品質)にしないことです。
膨大な時間がかかるばかりか、“木を見て森を見ず”の状態になる恐れがあります。
仕組みを完璧につくろうとすると複雑になります。
複雑になると、例外なく難しくなります。
プロジェクトリーダーは、そのことを頭の片隅においてプロジェクトを進めてください。
60〜80%の品質で満足して結構です。 残りは運用しながらです。
では、「我が社では、誰をリーダーにしようか」 と悩む会社も多いかもしれません。
そこで、リーダー選出のポイントを説明します。
それは、コミュニケーション能力が高い社員を選ぶことです。
具体的には、社内の情報が集まってくる幹部社員です。
組織にはいろいろな問題があります。
1つ解決しても、また次の問題が発生してきます。
その情報が特定の人に集中するケースがあります。
これは必ずしもフォーマルな役職者とは限りません。
一方では、社長が安心して悩みを打ち明けられる幹部社員です。
組織上の上下の情報伝達のキーになる方です。
ここには、問題点を含む生の情報が集中しているために、特に人に関わるプロジェクトの責任者には適任です。
人事制度づくりのプロジェクトリーダーは、人事部長とは限りません。
このことは、人事制度づくり責任者の任命時には、留意すべきポイントです。
人事制度に詳しいかどうかは、あまり重要ではありません。
「人事制度の仕組みづくり」 で社員の成長と業績向上の支援をいたします。
お気軽にご相談ください。
新・人事制度研究会/近藤経営労務事務所
社会保険労務士 近藤 昌浩