評価決定会議(成長支援会議)を実施する会社が増えてきました。
嬉しいことです。
人事制度を運用する過程において、さまざまな質問の中で一番多いのは、評価基準の解釈がなかなか一致しないということです。
しかし、これに驚かないでください。
評価基準が一致しないということは、管理者(経営者)が全社統一で部下の指導育成をしていなかったことが原因です。
この部分は一般的なスキルを学ぶ管理者研修では解決できません。
この評価決定会議こそ、解決の場だと考えて下さい。
最終的には、経営者が 『我が社』 の評価基準の解釈を統一するべく決定して下さい。
例えば、
「○○の場合は、我が社は 4点とする」
こんな感じです。
この要領で、
3ヵ月ごとに年 4回の評価決定会議を行えば、
1年後には、ほぼ解釈のズレはなくなります
ので安心して下さい。
でも、どうしても解釈が一致しなくて困るという場合は、暫定的な方法があります。
これは、ある会社での出来事です。
勤務態度の評価基準(1点〜5点)で、上司評価の結果にあまりにもバラツキがあり、評価決定会議が紛糾してしまいました。
とくに勤務態度というのは、会社にいる間の全般的なものに関わってきますので、一つひとつの状況を説明し始めたら際限がありません。
そうなったら 「これじゃ、誰も 5点はいないよ」(笑)。
マイナス評価のようになってしまいました。
そこで、具体的な内容を補助シートにまとめ、評価する状況を限定列挙したのです。
こうすると、検討するポイントが限定されるので評価しやすくなります。
(本人評価もやりやすくなりました)。
この補助シートで、
●「その通り」 である時は、〇
●「その通り」 でない時は、×
としました。
そして、それぞれの評価補助シートの○印の数で、評価シートで評価をしました。
この結果を評価決定会議で検討したのです。
そうしたところ、前回と違いスムーズに運営できました。
そこで、重要業務もこの形で変更することにしました。
その結果、評価も、指導も、やりやすくなりました。
この顧問先では、すでに評価決定会議は 4回目を迎えています。
今では、この評価決定会議では、次のようなことも検討されるようになりました。
@重要業務の再検討
A優秀社員の優れたやり方の確認
B部下指導のやり方の共有化
※とくに若い管理者の研修の場になっています。
この顧問先の社長から、ある日、次のような感想を頂きました。
@管理者の部下へのフィードバックが完全に出来るようになり、
最高の部下指導の場になっている。
A賞与配分決定するのに、数年前には1週間かかっていたが、
今では1日位で出来てしまいます。 本当に楽になりました。
今まで実施していなかった評価決定会議は、当初は戸惑いもあるでしょうが、これが機能すると質的な水準が1つ上がります。
評価決定会議(成長支援会議)を、ぜひ継続して行って下さい。
「人事制度」 で、社員の成長 と 業績向上の支援をいたします。
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近藤経営労務事務所/新・人事制度研究会
社会保険労務士 近藤 昌浩