人材育成・組織づくりのヒント / お知らせ
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作成日:2015/11/01
人事制度の限界を超えさせるもの、それは何か?



 次の課題として、社員を 「自己実現」 の段階へ持っていくにはどうしたら良いでしょうか。

「自己実現」といえば・・・。
そうです。
あのマズローの欲求5段階説の 「自己実現」 です。

この段階に入った社員は、もうすでに賃金のことはどうでもいいのです。
眼中にないと言ったほうがいいかもしれません。



この実現の欲求とは、自分自身の潜在能力を発揮したい、という欲求です。
自己実現とは、ほかならぬ自分自身が自ら承認するものを実現させるような過程です。

つまり、他人の評価は気にしないという段階です。
ついでに、他の段階の欲求も見ておきましょう。

 @生理的欲求、生存の欲求
   食物、暖かさ、家、排せつ、水、睡眠、性の充足、その他の肉体の欲求に関する欲求

 A安全の欲求
   実際の生理的な安全と、生理的かつ情動的な危害から安全に守られていたいという欲求、
   従って、病気から自由、情動的な安定という感じが安全の欲求に含まれます。

 B社会的欲求、所属と愛の欲求
   生理的欲求と安全の欲求が個人の私的な事柄に関するのに対し、他人に対する欲求です。
   これは、集団の一部であると感じたい欲求であり、だれか他人に所属したいと望む欲求です。
   つまり、愛を与え、そして受けるという両方の欲求を含んでいます。

 C承認(尊重)欲求、自己顕示の欲求
   人が自尊心と、他人の尊敬に対する基本的な欲求を持っているという考えに基づきます。 
   尊敬の欲求は細分化することができます。
   第1に、個人的な価値・適切性・能力に関する欲求があります。
   第2に、尊敬・賛美・承認・他人の目に映るステータス(地位・状況)があります。

   
そして、これらの欲求の顕在化には、次の2つの特徴があります。
   1) あるレベルの欲求が適切に満たされると、次に、より高い次元の欲求が顕在化し、
           行動をコントロールします。
       2) 低い次元の欲求が不足すると、それを満たそうとします。
           しかし、それが満たされると、その欲求に基づく行動は起こりにくくなります。



●このことを前提に、人事制度との関係を見ていくと、次のことが分かります。

欲求段階

人事制度

生存の欲求
生理的欲求

基本的に今の日本では、この欲求が満たされていない人はいない

安全の欲求

人事制度が運用され、社員が納得する状態がつくれた。
特に賃金制度に対する不満がない状態になる。

社会的欲求
所属と愛の欲求
親和の欲求

評価シートの中に 「優れた仕事の仕方」 が共有化され、この会社でお互いに良くなろうとする。
組織の中で感謝や信頼という価値観を持っている。

承認(尊重)の欲求

自己顕示の欲求

更に、成果を上げるための方法について、常に工夫改善され、それが組織全体に認められ、賞賛されている。

自己実現

組織全体の目標を達成することは当り前であり、それ以上に自分の可能性に常にチャレンジしている。

 
社員が自己実現の段階まで到達すると、どんなことが起きるでしょうか。
経営者にとって申し訳ない言い方になりますが、会社のためにという発想はありません。

その段階をクリアしているのです。
自己実現ですから、自分への挑戦ですね。
この段階になると、もう、労働という感覚すらありません。

ところが、
人事制度が運用されたとしても、この自己実現の段階まで社員を行かせることはできません。
残念です。



でも、全然方法はないのかと言えば、それがあるのです。
事制度の限界を超えさせるもの、それは2つの段階があります。



第1段階

管理者がトップの生き方や人生観に共感し、「私もあんな生き方をしたい」 と思われることです。
それはカリスマ性を持った経営者になるということとは違います。

現に管理者の前に、ここまで企業を継続発展させた経営者がいます。
その経営者の生きざまを聞いてもらうことです。

特に、今の時代は生きる目標となる人物が曖昧になってしまっています。
小学生・中学生の時代には、尊敬する人は、と聞かれたらすぐ答えが返ってきました。

ところが今は、考え込んでしまうのです。
でも、ご心配はいりません。

御社には、○○社長がいます。
あなた(社長)に、今までの失敗・苦労・喜び・悲しみ・悔しさを話してもらいたいのです。

間違いなく、それは映画のヒーローより身近なヒーロー物語になるはずです。
「社長のような生き方がしたい」 と思わない管理者がいたら、どんなに優秀でも管理者としては
不適格です。

その理由は第2段階にあります。



第2段階

管理者が自らの言葉で、部下である社員へ価値観を説明する段階です。
特に、今の企業にはこのような管理者が少なくなっている気がします。

多少乱暴な言い方をしますが、管理者自らが自分の夢を語れないのです。
「俺はこんな人生でありたい。こんな夢を持っている。この会社をこういう会社にしたい。」

この思想のベースがありません。
だから、
日常の教育指導が表面的になってしまうのではないかと考えているのは、私だけでしょうか。

自分の人生を真剣に考える上司は、部下の人生にも真剣です。
「君は、このままでいいと思っているのか」

部下の人生の成功を思い、心から叱る上司はどの位いるのでしょうか。
疑問です。

これでは、部下を自己実現の段階へ持っていけません。
そこで、まず、
経営者の価値観に共感した上で、自分の人生の目標を明確にしてもらうことです。

「会社の売上を前年対比120%」
というのは、人生の目標とはなり得ません。

「上場する」
これもダメです。

1回きりの人生で、自分の得手をどこまで実現したいか、です。
その目的は社会に役に立つということだと思います。

これが理解できると自分の人生を大切にできるようになります。
この管理者の話を社員に話せるようになると、部下は自分の可能性を考え始めます。



まずは、管理者が自己実現の段階に達していること。
これが第2段階となります。

これからの中小企業は、社員をいかに自己実現の段階へ進めるか、ということに取り組むべき
時がきたのではないか?
と感じています。

 



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近藤経営労務事務所/新・人事制度研究会
          社会保険労務士
近藤 昌浩

 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

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