どこの企業にも5%くらいは、何を言っても 「無理、自分には無理」 と諦めてしまっている社員がいます。
すべての企業の問題はここに集約されています。
この社員の動機づけさえできたら、どんなに楽になることか。
そう考えたことも一度や二度ではなかったでしょう。
でも、企業から、やる気を失う社員を一掃することができたら素晴らしいと思いませんか。
その答えを見つけられます。
では、小売業の場合のプロセス管理はどうしたら良いでしょうか。
小売業の売上高は、次の算式で計算されます。
売上高 = 客数 × 客単価
※ 客単価=お客様1人当りの買上点数×1品当りの平均単価
一言で売上目標を設定するといっても、具体的な検討が必要になります。
〇購買客数の目標
〇1人当りの買上点数の目標
〇1品当りの平均単価の目標
この3点を全店舗分、分析・調査します。
そこで、1つの発見をされることでしょう。
それは、店舗によって、その数値にバラツキがあることです。
例えば、3店舗の店があるとしましょう。
その店舗を分析すると、
A店は、客数は伸びているが、1品平均単価は低い。
B店は、客数は横ばいだが、1人当りの買上点数は高い。
C店は、客数は下降気味だが、1品平均単価も1人当り買上点数も高い。
店舗それぞれに、独自にやっていることが、この数値に反映されているのです。そのために、目標設定時には、このデータの分析ができていることがポイントになります。
〇客数を伸ばしている店舗は、何をしているのか(重要業務)
〇1人当り買上点数を伸ばしている店舗は、何をしているのか(重要業務)
〇1品当り平均単価を伸ばしている店舗は、何をしているのか(重要業務)
この3つの要素があれば、その重要業務は見つけられるようになります。
そして例えば、分析したデータを使用して次のようなことを説明するのです。
〇朝の開店時の品揃えが100%になっていない店舗は、
1人買上点数が12時までの時間帯で、0.7%低い。
〇閉店時まで売り込みをしていない店舗は、
閉店前1時間の買上点数は、0.5点低くなる。
〇重要商品を売り込んでいない店舗は、
1品平均単価が、30円低くなる。
〇陳列建て直しを常時実行していない店舗は、
買上点数が、0.5点低くなる。
店舗内の販売活動の違いが、全て数値で表現できているのです。
ここまで来ると目標はすぐ計算できます。
〇1人当り買上点数 ⇒ 現状(1.5点)+改善(0.7点)
〇1品当り単品単価 ⇒ 現状(580円)+改善(30円)
自分たちに不足していることがあり、それを実行することにより、
どこまで売上高を伸ばすことができるのか。
これが目標です。
全てにおいて、各数値が良いのには理由があります。
それを、売上高だけで判断しようとするから抽象的な表現になるのです。
その代表的なものが 「頑張っている」 という一言です。
これでは次のアクションが生まれません。
何故なら、全社員が頑張っているからです。
問題は、その頑張っている中身です。
この違いが分からない限りは、正しい目標設定はできません。
間違っても、「もう少し、目標売上高を上げろ」 ではいけないのです。
正しくは、
「〇〇をやれば(改善すれば)、〇〇も可能だ(例えば、1人買上点数が〇〇向 上する。
そうであれば目標売上高は〇〇万円も可能だ)」
と言い切ることです。
そのための資料を会社は整備しなければなりません。
結果指標ではなく、プロセス指標のデータです。
このような目標設定ができたら、達成管理の内容は見えてきます。
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近藤経営労務事務所
社会保険労務士 近藤 昌浩