人材育成・組織づくりのヒント / お知らせ
人材育成・組織づくりのヒント / お知らせ
作成日:2016/11/16
業務用の消耗品販売業における達成管理(事例)  ≪現在編≫



前号の続きです。

【現在】

社はどのような達成管理に変えていったのでしょうか。
まずはプロセス指標の検討です。



●成果指標 1 → 新規開拓 獲得社数

  〇プロセス指標 
      ニュー・コール
 …… 見込み客への訪問数

  〇プロセス指標 
      リピート・コール
 …… ニュー・コールした見込み客への再アプローチ訪問数



●成果指標 2 → 新規開拓 登録社数

  この社の場合、人事評価シート上での成果となるのはこの登録社数です。

  業務用消耗品の場合は、新規開拓社数が増えても、継続して毎月注文が発生しなければ
  すぐに休眠客となってしまうからです。
  そのため、3ヵ月連続注文を発生させて初めて登録となるとしています。
 
  〇プロセス指標 
      フォロー・コール
 …… 獲得した新規顧客に対する訪問数



新規訪問するには、2つのポイントがあります。

営業活動のを確保すること

この社の場合は、目標新規開拓社数を獲得するためには、3つの活動量を確保することが必要になります。

1つ目は、ニュー・コール活動。

2つ目は、リピート・コール活動です。

3つ目は、その獲得した新規顧客を登録するために、フォロー・コール活動の活動量を確保する必要があります。



それが月初に計画されます。

 ○ニュー・コール目標数

 ○リピート・コール目標数

 ○フォロー・コール目標数

この目標数を基にして、1日ごとに活動数が割り振られています。
これを毎日実行することになります。

営業所長は毎朝、各社員のデータを集計して営業本部へEメールで送ることになっています。



営業活動の
(パフォーマンス)を向上させること

この社の場合には、目標とする新規顧客社数、登録社数を、いかに少ない訪問数、つまり、ニュー・コール数、 リピート・コール数、 フォロー・コール数 で実現するかということです。

このパフォーマンスの違いが、営業成果の違いになります。

優秀な営業社員は、このパフォーマンスが高いのです。 
そして、常にこのことを考えています。



今まで、「優れた営業方法を調べてください」 とお願いしても、その違いが分からず、
なかなか評価シートの重要業務が決められなかった会社も、このパフォーマンスを分析
することで明確になります。

この段階で、2種類の達成管理が実施されることになります。



A.営業所長の達成管理

この活動数は、営業社員ごとに割り振られています。
これがプロセス指標になります。

営業社員1人ひとりの
ニュー・コール数、リピート・コール数、フォロー・コール数 が報告されます。

これが計画通り実行されていれば、目標は達成されます。



これにより、営業所長は 「目標の新規開拓社数は、今月はいけそうか」 と
社員に聞く必要はありません。

所長は、ニュー・コール数、 リピート・コール数、 フォロー・コール数 を
毎日確実に実行させることになります。

これを徹底すると、社員から本音が出てきます。
達成管理は、本音が出てこないと、役に立つ指導は出来ません。



  「忙しくていけませんでした」

  「ニュー・コールが上手にできません」

1つひとつの問題を解決していきます。
この本音は、月末に結果が確定した時には、言い訳に変わります。

この言い訳を聞いて、何度も
  「そんなこと、早く相談しろよ。 うちはいつも 『報・連・相』 と言っているだろう」



こんなことを言っても、結果が変わることはありません。
でも、もうこんな所長の嘆きはなくなります。

毎日ポイントを押さえた指導が可能となったからです。
長々の説教も無用です。

  「でも中には、このプロセス指標のウソの報告をする社員がいるかもしれません」
そういう心配もありますね。

そのために、そのプロセス指標を分析するデータも毎日確認します。
それが確率です。



この社の場合は、次の確率を算出しています。
それはニュー・コール目標獲得確率です

  〇ニュー・コール目標獲得確率
         = 目標新規開拓獲得数/ニュー・コール目標数(=見込客数)

これは、目標見込み客数に対する目標新規開拓獲得の割合(確率)です。
これにより、営業社員のパフォーマンスを常に把握しておきます。

営業活動量を増やしたからといっても、それに比例して成果が上がるとは限りません。



営業社員1人ひとりは、その営業の仕方によって確率を持っています。

飛躍的な成果を上げる営業社員は、この確率が高いのです。

そのため、
活動量 (ニュー・コール数、 リピート・コール数、 フォロー・コール数) が増えているのに、
その営業社員の過去の確率に照らして、著しくその確率が下がってきた場合は、
2つの可能性があります。



1つは、ウソの報告が混ざっている場合であり、
もう1つは現在の営業の仕方では成果が上がらなくなってきた場合です。

その時は、その営業社員の営業の仕方を確認することです。
いわゆる同行営業です。

同行営業と言っても、所長がその営業社員の代わりに営業するのではありません。
観察するのです。



 「そんな同行営業したら、社員が嫌がるよ!」
そんな心配は無用です。

この確率のことを、最初に次のように説明しておくからです。

  「限られた時間の中での営業活動で成果を上げるには、2つの視点があります。」
  「稼働率を高めること パフォーマンスを高めることです」

  「稼働率とは、1日の勤務時間の中の面談時間
(主体業務の時間)の割合です」
  「これ以外
(付帯業務)の時間を、いかに短縮するかを常に考えましょう」

  「もう1つのパフォーマンスとは、その面談時間の中でいかに多くの成果を上げるかです」
  「新規開拓であれば、3回の訪問で新規獲得するか、2回の訪問で獲得するか、1回の訪
   問で獲得するか」

  「どれが一番パフォーマンスが高いかといえば、それは1回に決まっていますよね」
  「この2つの視点で、皆さんと一緒に考えていきましょう」



こう説明していますので、
訪問回数は増えても、獲得社数が増えなければパフォーマンが
低いということを社員は理解していますから、「ぜひ、指導をお願いします」 となります。

これがウソのつけない仕組みです。
(もちろん、社員を疑っているのではありません。 で
も、そういう仕組みがないと、
 結果として、その恐れが発生することになるのです)。



B.営業部長の達成管理

ここで多くの企業が悩みます。
営業部長が営業所長を達成管理するときのプロセス指標は何だろう。

もちろん、この営業所長自身の稼働率とパフォーマンスを向上させることは当然ですが、
その前にやるべきことがあります。

営業所長の達成管理の指導です。
やはり、優秀な所長は、達成管理が上手です。
社員のプロセス指標を向上させる術を掴んでいます。



日々のデータ(プロセス指標)を営業所間で比較すると、
優秀な成果の営業所はどんどんこのプロセス指標が良くなっています。
当然のように成果も上がっています。

その営業所間の違いを知っているのは、
毎日この営業所からの報告書を見ている営業部長です。

そのため、この日々のプロセス指標の違いから
営業所長の達成管理の仕方の違いを把握するのです。



それを、毎日、営業所へフィードバックするのです。
例えば、次のような情報をEメールやFAXで流します。

 〇ニュー・コール数が伸びている営業所はこの時期にふさわしい新規訪問
   ツールを作成した。 そのツールは、お客様の関心を引いているようだ。 
   必要な営業所長は、サンプルを請求してください。

 〇リピート・コール数が伸びている営業所は、次訪の約束の取り方が上手いぞ。
   帰り際に必ず 「次回御社の〇〇にお役にたつ〇〇を持参します」。 
   これにはいくつかの業界別のパターンがある、全営業所で共有化するので、
   次訪の約束の取り方を報告してください。

 〇フォロー・コール数が伸びている営業所は、その月のキャンペーンチラシを
   上手に活用している。 「特別のお得意様だけの価格ですが、御社もこの価格で
   ご購入いただけます。 これは効果がある。



M営業部長も営業所からの報告データを基にして、営業所長へ電話で調査して、
その日の午前中にはEメールで情報を共有化しています。

このスピードが良いのです。




「人事制度」 で、社員の成長 業績向上 の支援をいたします。
お気軽にご相談ください。

近藤経営労務事務所
社会保険労務士
近藤 昌浩

 




 

メールアドレスをご入力ください。
無料メルマガ
強い会社を作る人事・労務情報
   
バックナンバー
powered by まぐまぐトップページへ
   他では得られない情報を、
  あなただけにご提供します。

最新の内容は、こちらをクリック! 
「まぐまぐ!」 のメールマガジンで、
「強い会社を作る人事・労務情報」
を毎月2回 提供しています。




無料メルマガ

無料メルマガの登録
「まぐまぐ!」 のメールマガジンで、

「強い会社を作る人事・労務情報」
を毎月2回 提供しています。





マネジメントの役割が変わった
時代に合ったマネジメント
組織風土を改善するには
好ましい職場環境にしましょう
経営課題解決の目標管理
個人目標を考えることから始める
 採用の失敗、どうする?
採用面接での人物判断は難しい
 けしからん大きな狼
デフレ不況から脱却するヒント
優秀な社員とは?
我が社の優秀な社員像を明確に
1億円のアイディア
多忙で重要業務がおろそかに
時間外労働に必要な手続き
36協定を届出ていますか?
未払い残業代請求の問題
残業代を請求される企業が急増
ホーム・介護事業皆様へ

通常の会社とは少し違う難しさ
労働・社会保険の基礎知識
入社・退職・病気・労災の手続き
マネジメント力で定着率アップ
定着率はマネジメント力が左右

社員の成長の分析の仕方
社員を育成する基になります
人財成長事業拡大バランス
社員の成長が組織の拡大に
労働分配率を改善する
1人当りの収益拡大の分析
 年次有給休暇の計画的付与
以外に会社が知らないメリット
管理者の昇進・昇格は?
昇進・昇格基準をオープンに
人件費総額管理を始めよう
全社員で昇給・賞与原資を確認
どんな成長を目指すのか
ミッションを見直す時期

お問合せ
社会保険労務士 近藤昌浩
近藤経営労務事務所
〒818-0072
福岡県太宰府市青山2丁目16番10号
 
TEL: 092-920-2108
 FAX: 092-920-2109
メールでのお問合せ