ある顧問先の営業所会議に出席を要請されました。
「会議の進め方がどうも上手くない」
依頼された日時にお伺いし、会議に出席しました。
全出席者(営業所長)には当然ピーンと張りつめられたような緊張した雰囲気があります。
どこの会社でもこれは同じでしょう。
独特のムードです。
もちろん悪いことではありません。
早速、各種の連絡事項説明の後に、各営業所の業績評価が始まりました。
営業担当の常務が議事進行を進めます。
業績の良かった各営業所に対しては、「ご苦労様」 と労をねぎらっています。
ところが、返す刀で業績の悪い営業所長へ叱咤激励(?)が始まったのです。
営業所長も、A常務から質問されればボソッと答えます。
その答えによっては 「言い訳するな」 と、声が一段と大きくなります。
A常務の独壇場という状態です。
A常務ひとりだけが元気になるような錯覚を覚えます。
終わりの頃には、高い業績を上げた所長も含めた全員が下を向いてしまったのです。
私自身も針のムシロに座らされているような感じを持ちました。
早くこの場から立ち去りたい。
いたたまれない2時間でした。
最後にA常務が 「とにかく結果を出してくれ」 と言ったときには、その会議室には何の光
も希望も見出すことはできませんでした。
会議室を出る所長全員が、口数も少なく、肩を落とし、うなだれています。
本当にこれで明日から業績は向上するのでしょうか。
その会社の社長が心配する通りです。
それでは、この状況をどのように解決したら良いでしょうか。
それは、業績評価会議を全員が望むように改善することです。
次の点を実行するだけです。
1.業績の高い理由を確認する
業績の高い理由を、その本人の口から、本人の言葉で、説明してもらうことです。
そして、そのやったこと(プロセス)を大いに褒めてください。
感謝してください。
表彰状を授与してください。
2.質疑応答の時間をつくる
1.の説明について、他の出席者から質問の時間をつくってください。
このやり取りで、そのやってきたことはより具体的なアクションのイメージになります。
明日からでも実行できるようになります。
3.出席者にアクション内容を決めさせる
大切なことは、明日からどう改善するかということです。
業績の上がらないアクションを同じようにやったら結果は同じです。
今日の会議で、今までのアクションをどのように変えるのかを決めさせてください。
特に成果の上がっていない方には、この段階でアドバイス・指導をしてください。
とても有効な指導になります。
この3つのことをするだけで、会議はガラッと変わります。
それは、会議室を出ていく出席者の後ろ姿を見てもらえば分かります。
今月は 「やるぞ」 という決意がその後ろ姿から見て取れれば成功です。
◎ 即アクション
○仕事の仕方の違いを見つけよう
○マネジメントを達成管理に変えよう
○評価シートの重要業務を絞りだそう
○役立つ業績評価会議を実施しよう
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近藤経営労務事務所
社会保険労務士・人事コンサルタント 近藤 昌浩