人材育成・組織づくりのヒント / お知らせ
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作成日:2011/09/20
社員に分かりやすい人事制度の構築と運用が必要



   難局を打開するための人事戦略

社員に分かりやすい人事制度の構築と運用が必要


数年来、賞与の支給時に経営者は頭を悩ませています。
いつもなら、配分の仕方だけに苦労すれば良かったのです。

賞与の支給原資は粗利益額です。
従来の経営のやり方では、この粗利益額が増えない経営環境になってしまいました。

@商品単価の低下
A競争激化による粗利益率の低下

そのため、特に建設業や小売業などを中心に粗利益額の減少が影響し、賞与原資は毎年低下
する傾向にあります。



その中で経営者が特に悩んだのは、前年よりも業績等の成果の上がった社員に今までのような
アップをしてやれなかったことです。

もしかしたら、その優秀な社員がやる気を失い、辞めてしまうかもしれないという不安が胸をよぎ
るのです。

不思議なくらい、中小企業の賞与の支給額は、成果の上がっている社員と全く成果の上がって
いない社員との差がありません。



年功序列型賞与といって良いくらいです。
それでも成果の上がっている社員から、大きな不満がそれ程なかったのには理由があります。

それは、多少なりとも前年対比で増額していたためです。
しかし近年は、成果を上げてもアップがないどころか前年よりも少なくなりました。

「もうこの会社では、どんなに頑張って成果を上げても賞与が増えることはない」 と、判断せざるを
得ない状況なのです。



この状況の中で、その優れた成果を上げる社員にますますやる気を持って邁進してもらうため
にはどうしたら良いのか。

根本的な対策を立てなければなりません。
優秀な社員が辞めてしまったら、ますます会社の業績の低下は火を見るより明らかでしょう。

ある会社では、そうなっては困るということで、労働分配率を悪化させて賞与を支給しました。

経営者としては経営上の数字をオープンにしながら、とても賞与支給額を増やせない状況で
あることも説明し、業績を向上させるようにと訴えました。



全社員は、それを聞いて一応理解したように見えたので、社員の奮起を期待しました。
しかし、翌月からの社内の雰囲気はそのまま変化がありませんでした。

経営者と数人の幹部だけが危機感を持つだけで、社員は危機感を持たないままだったのです。
残念がる経営者と現場のギャップがそこにはあります。

これは、ほとんどの経営者が考える危機感と社員が考える危機感の違いが理解されていない
からだ、と言えるでしょう。



経営者の考える危機感とは、このままではこの会社の発展どころか存続すらできないということ
への危機感なのです。
しかし、同じ意味での危機感を全社員に持たせようとしてはいけません。

あまりこの点を説明しすぎると 「この会社は危ないのか」 というような、評論家的な意見しか出て
きません。

全社員に抱いてもらいたい危機感とは、「このままでは自分の目標が達成できない」 「このまま
では自分の評価は下がってしまう」 ということへの危機感なのです。



これは自分の人生における危機感と言えるものです。
これを全社員に認識させなければなりません。

労働分配率が悪化しているということは、すべての社員が会社の期待する期待像に向かって、
生き生きと活動していないことを的確に表現しています。

これに早く気付き、人事上の改善改革に着手しなければなりません。
そのためには、人事評価の正しいフィードバックから始めることです。



現在の労働分配率の悪化が進み、人事制度の改善改革を始めた会社経営者からの
様々な報告があります。

その中で、ほとんど共通する内容は次の通りです。

全ての社員は、現在の賃金額を適正だと思っていて、誰一人としてもらい過ぎと思っている
人はいなかったということです。

実際に現在の成果から見て、賃金の払い過ぎと判明した社員の何割かは 「自分は賃金が
少ない」 とさえ思っているのです。



これくらい、現在の評価と賃金の関係は薄れています。
正しい評価と、そのフィードバックがなかった積み重ねがこのギャップを生んでしまった
のです。

管理者にこの業務をさせなかった会社の責任が一番大きいと言えるでしょう。
これからは、管理者の部下に対する指導育成を本気で取り組ませなければなりません。

そして、評価と処遇に責任を持たせるべきです。
最近、いろいろな会社の管理者からこんな話を聞きます。



管理者が部下に対して、
「成果を上げるために、この重要業務をやり切りなさい」
というと、

部下から、
 「分かりました。でも、その成果を上げたらどのくらいの処遇(賃金)があるのですか」
と質問があります。



それに対して 「処遇は後から必ずついてくる」 と管理者は答えるのですが、その回答に部下は
納得しないというのです。

その通りです。
その処遇は 「こうなる」 と管理者が答えなければならないのです。

「昔は、それでみんな納得したのになあ」
そうです。 昔はほとんどの業界が右上がりだったから、問題ありませんでした。



後から処遇が付いてきたので、年功序列型で良かったのです。
「人事部へ行って聞いてくれ」 と逃げることもできました。

しかし、今は成果に対する評価とそれに対応する処遇は、管理者が一番理解していなければ
なりません。

そうすれば、管理者が部下のために本当に厳しく指導できます。
だからこそ、全社員に分かりやすい人事制度の構築と運用が必要なのです。


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