人財成長と事業拡大の好ましいバランスとは?
人財成長と事業拡大の好ましいバランスとは?

◆ 社員の成長なしに、組織の拡大はあり得ません

事業拡大することによって失敗する会社が、ある一定の割合であります。

例えば小売業・飲食レストラン業であれば、店長に対応する成長等級まで社員が育っていないの
にもかかわらず、無理をして出店してしまうパターンです。

仮に店長に対応する成長等級が中堅職層の5等級・6等級であるとすれば、この5等級・6等級の
社員の人数がその会社の最適な店舗数となります。

5等級・6等級に社員が10人いれば、この会社の最適な店舗数は10店舗だということです。

もしこの会社が10店舗以上の店を出すことになれば、当然ながらその下の4等級から店長を任命
することになります。



しかし、この時には店長を遂行できるまで成長していないことを前提に店長に任命しますので、
失敗の可能性がかなりの確率であるということです。

その割合は100%近くあります。

経営者は、この4等級の社員を店長に任命することで、失敗すること、つまりこのお店が赤字に
なる可能性があることを前もって知っておかなければなりません。

それを冷静に分析せずに店舗展開をしてしまうと、店長をできる可能性の少ない人に 「君なら
できる」 といって任命しておきながら、
その店舗が赤字になった段階で 「君ならできると思ったのに残念だ……」 というおかしな発言を
してしまうことになります。



店長職を、その4等級の社員が遂行できる可能性はほとんどなかったのです。
それにもかかわらず店長に任命して利益が出なかったとしても、それは当然の結果であり、責任
はすべて経営者が持たなければなりません。

4等級で店長に任命されながら、「期待したのに」 と言われた社員は、自分の能力のなさを嘆くこ
とになります。

最悪の場合、その社員は会社を去ることになります。
4等級ということは、一般職層を卒業した優秀な社員です。



その優秀な社員を社外に流失させてしまうのです。
育てては辞めてしまう……これを繰り返している会社が如何に世の中に多いか、ほとんどの方が
ご存知でしょう。

課長や部長という役職は、その役職に見合うだけの部署・部門があってこその役職です。

つまり、所属長や部門長として任命することのできる部長・課長が育成されてから、事業展開する
ことができれば問題はありません。

ところが社員の成長を確認せずに、事業拡大だけは飛躍的に行ってしまう会社があります。

これによって組織全体が一気に疲弊してしまうことがしばしば見受けられます。



事業拡大するためには、拡大を維持するための社員が育っているか把握できていなければなり
ません。

事業を拡大するのであれば、当然8・9等級まで社員が成長してから、というのが順当です。

この場合はそこまでの力があることをステップアップ制度上で確認してからの昇進となりますので、
その事業運営が失敗に終わる可能性が極端に低くなるということです。



常に事業展開は、我が社の社員の成長度合いと対応させながら計画をしなければなりません

毎年、現在どれほどの社員が何等級に何人いるのか。
そして1年後、その社員がどこまで成長している可能性があるのか、目標を設定しながら実績を
確認しておかなければなりません。

確認しておけば、それに合わせて事業展開が進められます。
社員の成長の状況を無視して事業展開が進むわけではありません。



常に組織を動かすのは人です。
人の成長なしに、組織の拡大はあり得ません。

一般職層の社員を増やす場合も、当然その社員を指導する立場の社員が育っている確認ができ
ていることが必要になるのです。

どれぐらいの年数をかけて成長すればよいのかということは、標準昇格年数や最短昇格年数を
設計するときに考えてもらいました。



新卒で入った社員が2〜3年で一人前に成長するという計画を立てた経営者はいないでしょう。
それほどまでに社員の育成には時間がかかります。

その時間がかかることを前提にして事業展開をする必要があるということです。
「人財成長目標実績表」では、この人財成長目標を計画しながら、実績を振り返ることができます。

目標通りに社員が成長することになれば、それぞれの成長等級における人数は一致するでしょう。
場合によっては教育指導が順調に進み、目標以上に社員が成長するかもしれません。



であれば、そのやり方をさらに研究することによって次の1年間も同じスピードで成長させることが
できます。

標準昇格年数や最短の昇格年数がここで大いに参考になります。
目標どおりに人財が成長しない場合もあるでしょう。

この場合は教育指導の仕方が問題があったことを私達に教えてくれます。
教育指導を一生懸命に実施したとしても、その投資の効果がなかったということを判断することが
できるのです。



これによって、教育指導の内容について、振り返ることができます。
今まで、教育や指導がうまくいっているのかどうかを、その社員の成長の計画と実績の違いに
よって判断することができた会社はどれほどあったでしょうか。

皆無に等しかったでしょう。
判断材料がないために、無駄な教育投資をかけてしまったり、振り返りができず毎年全く違うこと
をやってしまったり、経営者が焦ってしまい年度の途中で教育内容を変更したりすることがよく見
受けられました。

今回はこの目標と実績の違いを実際に見ることによって、この違いに基づいて新たな年により効
果の高い教育訓練計画をすることができるようになります。



そしてそれに合わせた事業展開も冷静に行うことができるようになります。
この社員の成長に合わせた事業展開でなければ、企業は継続して発展することはできません。

それを毎年毎年のこの分析によって判断し、その延長線上として継続的に事業展開を行ってくだ
さい。

経営の中で一番重要なのが人です。
人の成長がどうであるかということを判断できるこの計画表をぜひ活用してください。



 

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