「評価シート」 を簡単につくるポイントを8回シリーズで具体的に説明します。
今回は、その1回目です。
●社員を育てるための仕掛けが 「評価シート」 です。
●人事制度が企業で順調に運用される基となるものが 「評価シート」 です。
●優れた仕事のやり方を共有化するものが 「評価シート」 です。
●共有化をスピーディに全員で実行させるものが 「評価シート」 です。
●やるべき仕事(重要業務)を明らかにしたものが 「評価シート」 です。
●全社員の目標となる期待像を明確にしたものが 「評価シート」 です。
●教育課題は何かを明確にしてくれるものが 「評価シート」 です。
●『指示待ち社員』 から 『自立型社員』 に変化させるものが 「評価シート」 です。
●部下をマネジメントするときのツールとなるものが 「評価シート」 です。
●管理者のマネジメント力をアップさせるものが 「評価シート」 です。
人事制度は人を育てる仕組みであることを認識してください。
人を育てる仕組みをつくらないと社員が増えるにつれて、売上・利益の伸び率は鈍化します。
「当社には人事制度は無いが順調に成長を続けている」 という方もいるかもしれません。
しかし、それは判断基準に誤りがあると言えるでしょう。
会社全体の業績は向上していても、社員1人当たりの売上・利益 はどうでしょうか?
それも確実に伸びているでしょうか?
次々に若い社員が入ってきても、社員1人当たりの売上・利益を伸ばすためには、人事制度が必要不可欠なのです。
まず、
人事制度 (評価制度・賃金制度・昇進昇格制度) についての社員の不満から確認していきます。
人事制度はつくっても、社員が理解し納得したうえで、活用されないと意味がないので、その不満を知ることは大切です。
人事処遇制度診断を実施した企業の全従業員からのアンケートを収集しての分析があります。
100社以上も診断しているうちに、あまりにも結果が似ていることに気が付いたことです。
特に、次の点です。
●賃金の決め方、昇格・昇進の決め方の基準が分からない。
つまり、どのような場合に賃金が上がり、昇格・昇進するのか分からないのです。
これは何を意味するのでしょうか。
社員は 「どのような場合に高い評価を得られるのか」 を理解していないということです。
これでは、社員は何を目指して頑張れば良いか分からないままに仕事をしていることになります。
右へ行けば良いのか、左へ行けば良いのか明確なゴールが示されないままでは、社員の成長は期待できません。
しかし、社内では日常的に評価は行われています。
それは “叱る” ことと “褒める” ことです。
これは、人を育てるうえで重要な管理行動です。
これによって部下の目標達成への軌道修正をし、励ましや勇気を与えるのです。
上手に行わなければなりません。
これは当然のことながら、場当たり的であってはなりません。
この “褒められる” ことの多い社員は高い評価になります。
この “褒める” ことは、意外とどの会社でも少ないようです。
なぜ少ないのか?
それは、前もって何を褒めたら良いのかを決めていないからです。
この褒める (叱るも同様です) 行為の基になるのが評価シートになります。
そのため評価シートは事前に発表しなければなりません。
この評価シートは各社員の成長の目標であり、その目標達成を指導する管理者の管理ツールとなります。
この評価シートづくりが、人事制度をつくる場合の第一段階、スタートとなります。
人事制度は、評価シートづくりに始まり、評価シートづくりに終わる、と言っても良いくらいに重要なのです。
これができれば、人事制度づくりは80%完了したと考えて良いでしょう。
それでは、次回から具体論に入って行きます。
次回は10月1日に掲載予定です。
社員を成長させる 「評価シートづくり」 の支援をいたします。
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近藤経営労務事務所
社会保険労務士 近藤 昌浩