人事制度づくりの成否の判断基準を確認する
人事制度づくりを成功させたい。
このことは、経営トップが人事制度づくりを決意した瞬間の願いです。
しかし、その成否の判断基準を明確にするケースは少ないようです。
そのため、人事制度を間違った方向へ向かわせる可能性があります。
そこで今回は、
人事制度づくりの成功と失敗の判断基準をはっきり示すことにします。
それは、人事制度が出来て運用されてからの判断となります。
人事制度そのものでは、「成功か」 「失敗か」 を判断することができません。
ところが、経営陣はホワイトカラーとしての仕事の仕方の特徴を理解していないため、人事制度そのものの出来映えで判断をする傾向があります。
ホワイトカラー(知識労働者)は、次の傾向が見られます。
A.出来映え(品質)を重要視する
目的を考えず過剰品質を求めます。
やたらと資料が増えるのはこのためと言えるでしょう。
B.スピード(納期)が曖昧になる
業務遂行上で必要となる段取り(行動計画・スケジュール)が事前
につくられず、成り行きで仕事が行われています。
C.ゴール(成果物)を決めない
業務のゴールとして何を成果物としてアウトプットすればいいの
か、具体的に決めないでスタートします。
これは何も人事制度に限ったことではありません。
しかし、新しい業務である人事制度づくりにも顕著にあらわれます。
特に問題視したいのは、
「良い人事制度をつくれば、人事上の問題が解決する」 と誤解することです。
どんな人事制度をつくっても、運用されなければ問題解決はできません。
人事制度は運用されてから、その成否が判断できるのです。
そのため、《簡単につくってください》 とお願いしている理由はここにあります。
人事制度を運用すると、いろいろな問題が生じてきます。
それに対応して、そのつど解決をしていけば良いのです。
将来にわたって問題の生じない人事制度は神様にもつくれないし、つくる必要もありません。
現在の人事問題を解決できる人事制度がベストな品質です。
あくまでも、人事制度の成功・失敗は、次の基準に照らし合わせて判断してください。
判断基準・・・会社の成長方向に向かって、
社員が一緒に元気に楽しく成長しているか。
その結果として、経営目標は実現されているか。
なかなか人事制度づくりに着手できない会社は、この点を考えて欲しいものです。
次号に続きます。
「人事制度の仕組みづくり」 で業績向上の支援をいたします。
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新・人事制度研究会/近藤経営労務事務所
社会保険労務士 近藤 昌浩