今回はホームセンターの事例です。
この会社は 『ないメモ』 を作成しました。
この会社の店舗の中で一番業績の高い部門の販売の仕方を調べてもらいました。
そうすると、
「園芸部門の社員ですが、よくお客様の要望を聞いて対応しています。店舗にない商品は、すぐ仕入先から探してきています。評判も良いです。」
ということでした。
そこで、この会社の優れた仕事のやり方は、
「お客様の要望をよく聞き、自社の商品で対応できない場合は取引先から調達し、対応する」 こととし、『ないメモ』 を活用することにしました。
つまり、「お客様にその商品はありません」 と言わずに、
要望をお伺いするメモのことを 『ないメモ』 と呼ぶことにしたのです。
そして、売り場に商品がなくて困っているお客様がいたら、すかさず社員がそのメモを持ってお話をお伺いすることになりました。
部門ごとのバラつきはあるものの全員がその取り組みに参加しています。
この場合は、『ないメモ』 枚数がプロセス指標になります。
そのメモから実売につながった実例も増えてきました。
お礼の言葉も頂いています。
お客様から感謝される社員の顔を想像してみてください。
「この仕事をやっていて良かった」 という思いが伝わってくるようです。
この 『ないメモ』 の集計結果も頂きましたが、“素晴らしい” の一言です。
『ないメモ』 1枚について、星印が1個付きます。
星印が1個付くたびに本人も満足し、上司も褒めているそうです。
楽しみながら取り組んでいる様子が伝わってくるようです。
もちろん、始めたばかりなので大きな業績向上になったわけではありません。
しかし、このまま 『ないメモ』 を実行すれば、大きな成果につながるのは間違いないでしょう。
「昔を振り返ってみると、当時の店舗では全員がそのようなお客様対応をしていた気がする」 とお話を伺いながら、結果が楽しみになっています。
前回と今回で2つの事例を紹介しましたが、プロセス管理は業績向上のためには重要です。
このプロセス管理を実施しながら、高い業績を上げる方法を把握していくのです。
ほとんどは、成果を上げている社員の分析から仮説を立てるので失敗は少ないでしょう。
社外のセミナーで学んだことを実施するより、成功率は高いと言えます。
もちろん失敗の可能性がないとは言えませんが、プロセス管理をしていれば、1ヵ月経って判断するということはありません。
少なくても1週間サイクルで判断が可能です。
そうすれば、早期対応が可能になります。
「人事制度の仕組みづくり」 で業績向上の支援をいたします。
お気軽にご相談ください。
新・人事制度研究会/近藤経営労務事務所
社会保険労務士 近藤 昌浩
