成長シートだけでマネジメントすることは、不十分でしょうか?
○管理者には、もっと細かいところまで部下の指導をして欲しい。
○指導する内容・項目は、もっとあるのではないか。
これが成長シートを活用して、マネジメントを始めたときの経営者の考えです。
その通り、成長シートはマネジメントを重点管理するためのものですから、すべての部下の業務について記載してあるわけではありません。
本当にこれで良いのだろうか、と心配になる経営者もおられるでしょう。
しかし、この考えを正さないと成長支援制度は運用できません。
その理由を説明したいと思います。
まずは、経営戦略について考えてみましょう。
経営戦略は重点管理です。
あれもやろう。 これもやろう。 という会社には “戦略がない” 証拠です。
そこには優先順位が社内で明らかにされていないので、現場レベルでは一番やり易いものしか手をつけないということになります。
「何かをやる」 と決めることは、「何かはやらない」 と決めることと同じなのです。
数多くのことを限られた時間の中で、同時並行ですべてを実行することは到底不可能です。
冷静に考えれば分かることです。
「下手な鉄砲でも数打ちゃ当たる」 のような戦略では、組織を効果的・効率的に動かすことはできません。
結果は火を見るよりも明らかです。
「我が社には○○という戦略がある」 と断言して、それを完全実行することです。
これが経営者の重点管理となります。
目に見える現象をすべて指導することではありません。
マネジメントもまったく同様です。
部下が成果を上げるための重要業務の優先順位を決め、それを重点管理するのです。
成長シートの重要業務の決定に時間がかかる会社は、このことを良く理解する必要があります。
「やるべきこと」 = 「重要業務」 を完全遂行することによって、成果は向上するのです。
数多くの業務を遂行することによってではありません。
部下は、この重要業務をやりきることです。
上司は、この重要業務をやりきらせることです。
ここで業績の差が生じているのですから、当然のこととなります。
だから業績向上は難しくありません。
人事制度をつくり、業績を向上させる “コツ” はここにあります。
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近藤経営労務事務所
社会保険労務士 近藤 昌浩
