最近、強く思うことがあります。
営業事務等のスタッフ部門の事務作業のムダの多さです。
よく考えれば分かることなのに、それを考える習慣がありません。
「いや、よく考えている」 と営業事務をしている社員は言います。
しかし、彼等が考えれば考えるほど事務作業が難しくなっていくのです。
そして、「この作業は難しくて若い社員には任せられない」 となります。
事務作業は難しくしてはいけません。
簡単にすることが必要なのです。
単純化していかなければなりません。
でも、どうしてこんなに難しくなったのでしょう。
無駄が多くなったのでしょうか。
その原因は、営業事務の目的が明らかにされていないことです。
事務作業は、営業社員の付帯業務です。
その付帯業務を営業社員に代わって代行するのが営業事務社員です。
それによって、営業社員の主体業務(商談等の営業活動)の時間を増やすのです。
日本の営業社員の主体業務の時間は10〜30%程度しかないと言われています。
欧米の営業社員は30〜50%あるそうです。
日本では営業支援システムが充実しているのかもしれませんが、この差は大きいです。
弊所のある関与先で調査すると、12%しかありませんでした。
たったの12%ですよ。
これが、2倍の24%になったら営業社員の売上がどのくらい向上するか理解できるでしょうか。
主体業務時間が2倍なら、売上も2倍になります。
当たり前の話です。
そこで、営業事務社員が営業社員の付帯業務を代行することになります。
つまり、営業事務社員の業務の目的は、営業社員の売上向上なのです。
営業事務社員の業務の期待成果は、売上等の業績です。
この説明をしていない会社のなんと多いことか、とつくづくそう思います。
現在の営業事務社員には、次のように説明することをお勧めします。
『皆さんの仕事は、営業社員の売上を向上させることが目的です。その視点から常に自分たちの仕事を見直してください』
この説明が理解されると、営業事務社員の行動がどう変わるのか想像してください。
昨年、ある関与先では、電話応対がガラリと変わりました。
その会社に電話をすると、営業事務社員が電話口でセールスするのです。
電話を使って、営業社員の営業活動まで役割代行が始まったのです。
そして、営業事務社員は営業所全体の業績に関心を持ち始め、業績が上がれば喜んでいます。
経営者の重要業務として考えるべきことは、全社員が業績向上を自分で考え、楽しみながら仕事に取組み、達成感を得られ、上司から認めてもらえ、自分が成長していることを実感し、それを喜べるように整備することではないでしょうか。
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近藤経営労務事務所
社会保険労務士 近藤 昌浩
