目標管理制度と人事制度が連携すると、社員の成長を支援する強力な仕組みになります。
まずは、目標管理制度の内容を明らかにします。
目標管理制度は、
〇 目標設定
〇 達成管理
〇 業績評価
の3つの要素から成り立っています。
今回は、「目標設定」 3回シリーズの1回目をお届けします。
当然のことながら、目標設定は会社の予算設定とは異なります。
各社員の自主目標です。
今年、自分(社員)はどのくらい成長するのかの目標です。
「そんなこと言ったら大変だぞ。とても、会社全体の予算に届かない」
「そんな恐ろしいことを言ったら会社が存続できない」
と思われるでしょうが、心配ご無用です。
各自(各社員)の設定した目標が達成できた時の処遇(昇給・賞与)を一緒に発表すれば良いだけです。
例えば、
〇 社員の目標を100%達成したが、会社業績が前年対比90%であれば、
〇 昇給・賞与は前年対比90%。 正確に計算すればそれ以上低くなります。
これを望んでいる経営者は1人もいません。
もちろんこれを望んでいる社員も1人もいません。
しかし、これが現実です。
これを全社員に公開することです。
そのうえで、『高い会社業績=高い処遇』 であることを事前に告知することです。
ある会社では、この説明がされてから1人の社員が真面目な顔で話していました。
「私たちは、高い目標を目指さなければなりません」
「それは自分のためなんですね」
そう、自分のためでいいのです。
会社のためなんてカッコ良いことを口にするから本音と建前がズレてくるのです。
社員にも説明しづらくなります。
社員にも管理者が宣言することです。
「自分のために、自分の成長のために、頑張ろう」
「自分の処遇を良くするために、頑張ろう」
この真実に反論はありません。
この組織風土が出来上がったら、目標設定です。
〇過去の実績
A 過去の重要業務
B 過去の知識・技術
C 過去の勤務態度
〇将来の目標
A′将来の重要業務
B′将来の知識・技術
C′将来の勤務態度
この実績値(過去の実績)と目標値(将来の目標)の差をA・B・Cの差で捉えます。
それを、現在の成果の実現度に合わせて検討すれば良いのです。
次号に続きます。
「人事制度の仕組みづくり」 で社員の成長と業績向上の支援をいたします。
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近藤経営労務事務所
社会保険労務士 近藤 昌浩