課題解決が進んでいる状況を日々把握するためには、プロセス指標を考えることです。
プロセス指標とは、解決や改善のプロセスが進んでいるかどうかの判断の指標(モノサシ)です。
より現場に近い指標を考えることが肝要です。
これが上司の腕の見せ所と言えます。
毎日のように確認できるものが良いです。
業種によって様々なので、多くの企業に共通する営業部門のサンプル事例を上げることにします。
〇訪問率 = 実績訪問数 ÷ 計画訪問数
〇アポ獲得率 = アポ獲得数 ÷ 電話コール数
〇有効面談率 = 有効面談数 ÷ 面談数
〇キーマン特定率 = キーマン特定数 ÷ 顧客数
〇提案受注率 =受注数 ÷ 提案数
〇平均訪問回数 = 訪問回数 ÷ ターゲット数
〇平均訪問間隔 = 全訪問期間 ÷ 訪問回数
〇既存深耕度 = 顧客ごとの取引商品の合計 ÷ ( 全商品数 × 顧客数 )
〇訪問頻度 = 訪問回数 ÷ 全顧客数
〇リピート率 = リピートの商品数 ÷ 受注した商品数
〇アプローチ率 = ( 訪問数 + DM数 + 手紙数 + 電話数 ) ÷ 顧客数
〇見極め度 = 次訪アポをとらなかったターゲット数 ÷ 初訪したターゲット数
〇お客様1人当り買上点数 = 総買上点数 ÷ 購買客数
〇商品1点当り平均単価 = 売上高 ÷ 総買上点数
まだまだあります。
このプロセス指標によって、日々の課題解決状況を把握するのです。
そして指導します。
このプロセス指標が、
●良くなってきたら ⇒ 課題解決が進んでいる
●良くならなかったら ⇒ 課題解決が進んでいない
ということになります。
このデータを活用すれば、1ヵ月後に 「どうしたんだ」 という発言はあり得ません。
もっとも、どんな話をしても、結果は変わりません。
そうならないように部下の行動と上司の指導があるのです。
このプロセス上で、指導を失敗する会社があるとすれば、
このプロセス指標を結果指標として使う場合です。
この場合は例外なく、データにウソが入り込みます。
つまり、社員がウソのデータを提出するようになるのです。
ある会社は、新規開拓で、
〇新規訪問数 = 新規ターゲット初訪数
〇有効訪問率 = キーマン特定数 ÷ 新規ターゲット初訪数
というプロセス指標を2つ設定しました。
この会社の新規開拓においての課題の1つは、訪問件数が少ないということでした。
その時の解決策は、
●新規開拓時のツールの開発とセールストークの訓練
でした。
それが進んでくれば、営業社員は意気揚々と初訪するということでした。
今では、どんな業種でも新規開拓の獲得率は、10%以下になってしまいました。
この会社も20数年前は50%くらいあったのですが、今では5分の1です。
獲得率が下がったら、新規開拓訪問をしなくなってしまいました。
営業社員の諦めです。
そこで、課題を整理し、解決策を打ったのです。
解決が進めばプロセス指標も良くなり、結果として新規顧客は獲得できます。もっとも最初から、すべてがスムーズに進むわけではありません。
次号に続きます。
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近藤経営労務事務所
社会保険労務士 近藤 昌浩