ここまで説明してくれば、業績評価で何をすれば良いのかが分かるでしょう。
目標達成率の発表ではありません。
どの営業社員の目標達成率が高いだの、どこの営業所の達成率が低いだのは説明不要です。
そんなことは説明されなくても分かることです。
ここでは検証です。
「何の検証か」 という質問が出そうですが、それは、立案した仮説が正しかったか、間違っていたかを調べることです。
目標設定時にまとめたことは全て仮説です。
①実績と目標のギャップを課題として捉えたが、その課題は正しかったか
②その課題の解決する方法は正しかったか
これが正しかったら目標達成率は100%です。
少なくとも、達成率は高いはずです。
正しくなければ、達成率は低いはずです。
それは困るでしょう。
でも、あと数ヵ月(決算月にもよるでしょうが…)あります。
その数ヵ月でもう一度、別の課題と解決策をまとめ、実行することができます。
同じ失敗は二度としなくて済みます。
ところが、「この解決策をやっていませんでした」 と、こんな発言が出る場合があります。
これは、「自分は管理者としての職責を果たさずに、ここに座っています」 と宣言しているようなものです。
これでは次回の出席をお断りするしかありません。
もちろん、このことを業績評価の日まで知らなかった会社にも責任はありますよね。
時には、「管理者は何をしたらいいんですか」 と質問されることがあります。
最初に “やること” を考えてはいけません。
やることは山ほどありますが、まずは目的を考えることです。
管理者の職務の目的は、部下の目標達成の実現、業績の向上です。
これを確認してから、「何をすれば良いのか」 です。
今までは、部下に 「売上を上げろ」 と言っていた、つまり結果管理をしていた上司は、プロセス管理をすることになります。
こういう状態で、毎日、管理者マネジメントしていれば、確実に業績が向上します。
さて、評価シートの作成方法は、
【 「評価シート」 を簡単につくるポイント 1/8 ~ 8/8 】 でご紹介しました。
もう一度読みたい方は、ホームページに掲載中ですからご確認ください。
評価シート作成時に異口同音に尋ねられるのが、次のことです。
「これで良いでしょうか」 です。
特に、初めて評価シートを作成した方からは、不安で仕方がない様子が伝わってきます。
この評価シートが正しいかどうかの判断はとても簡単です。
次のことを確認するだけでOKです。
①評価シートで仮評価をする
②評価決定会議行い、全社員の評価を仮決定する
③全社員の点数の高い順に並べた表をつくる
④その表を見て、経営者・幹部が 「思った通り」 と思えるのであれば良い
「ええー、そんなに簡単でいいの?」
評価とは難しいものです。
それは否定しません。
でも、評価をすること自体が目的ではありません。
〇出来ているところを認め、褒める
〇出来ていないところを部下と一緒に確認し、指導する
そのためのツール・道具なのです。
ポイントを絞らない限りは実行不可能です。
実行可能にするためには、簡単明瞭にするしかありません。
次号に続きます。
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近藤経営労務事務所
社会保険労務士 近藤 昌浩