人材育成・組織づくりのヒント / お知らせ
人材育成・組織づくりのヒント / お知らせ
作成日:2014/11/01
業績を向上させる



 安倍首相の唱えるアベノミクスによる効果は、大半の中小企業では実感できないでいます。

特に最近まで成長期にあった業界がその傾向が顕著のようです。
いろいろな相談を受けていると、それがハッキリ分かります。

本当であれば、成長期に次の成長曲線を描く準備をしなければならないのですが、過去の成功体験は、かくも次の行動を拘束するものかと感じることがあります。


最近も、かつては成長産業だった会社の社長から相談を受けました。

このままのやり方では将来がないことを強く感じています。そのためには、まず、今の業績をなんとか回復させなければなりません。人事制度づくりは前から必要だと思っていますが、業績を回復させてから着手しようと考えています

このような話をされる経営者の方々は、人事制度とは、賃金制度のことだと考えています。

業績を向上させなければ、昇給・賞与を決める賃金制度をつくっても意味がないということなのでしょう。 
無理もありません。 そういう意見が世の中に多いのですから。


元来、人事制度の中核的な役割を果たすのは、評価制度です。 
評価制度がなければ、賃金は決められません。

その評価制度の中心が成長シート(評価シート)です。 
成長シートとは何でしょうか。

それは、会社が社員に期待する 「社員の期待像」 です。
では、その成長シートには何が書かれているのでしょうか。 


大きく分けると4つあります。

   〇期待成果 ・・・ 何を期待成果としているか。

   〇重要業務 ・・・ 期待成果を上げるために、何をすれば良いのか。

   〇知識・技術・・・そのためには、どのような知識・技術を習得すれば良いのか。


   〇勤務態度 ・・・ どのような勤務態度であれば良いのか。


人事制度をつくる場合の第1段階は、この成長シートをつくることからスタートします。
これには、とても重要な意味があります。

全社員が成長シートで100点をとるということは、業績の大幅な向上を意味しています。
つまり、業績向上のための全社員の行動プランです。

いつの時代も、どこの会社も同様ですが、業績向上しているときには、理由があります。
全社員が 「やるべきこと重要業務)」 をやり切っているときです。


一方で、業績が低迷している会社の原因も明らかになっています。
それは、活気がない、ということ? いいえ、これは結果であり、原因ではありません。

では、一生懸命さがないこと? それでもありません。
業績が低迷している会社の方が、夜遅くまで年中無休の状態で働いていることは多いのです。

では、何が原因なのか、と疑問に思われませんか?
それは、業績が向上する業務(仕事・業務)をやっていないのです。


逆に、「下手な鉄砲も数撃ちゃあたる」 状態になっています。

   〇あれも大事

   〇これも大事

   〇動き回ろう。 結果は後から付いてくる

たぶん、結果は後から付いて来ないと思った方がいいです。
動いている社員も半信半疑です。


本当にこれでいいのか?

そこで、これから社員がどのように活動したら良いのかを検討するのです。
何をすれば良いのかを明確にさせるのです。

そのようにお話すると、経営者は一斉に経営戦略の勉強の方へ走ります。
今後どうすれば良いか、方向性を決めることを始めます。

これは大切です。 否定しません。
でも、方向性は、御社の中で芽生えています。


ある会社で、とても業績の良い営業社員がいました。
その営業社員は、お客様の要望をうかがうと、どうしても費用の面で自社扱いの商品を提案できずに、中古品を紹介していました。

今は、どの業界も同じですが、中古マーケットが出来つつあります。
その商品を紹介していました。 
競争が少なく、利益率も高いのです。

驚いた社長は、まず、その社員を業務違反であることを叱り、次に感謝しました。
次年度の経営戦略が、中古マーケットへの新規参入になりました。

一番、経営環境の変化をまともに受けるのは社員です。
そのため、環境に適応させられているのは社員なのです。

どこの会社でも、会社の戦略を検討する上での重要な活動が芽生えています。
経営者の目は、もっと社内に向ける必要がありそうです。


本題に戻ります。

社員は、
我が社の業績を向上させるために、これから何をしたら良いのだろうか。
これが決まらなければ、何も解決しません。

これを決めて、徹底実行しなければ、結果は良くならないのです。
業績を向上させたいと考えたら、まずは、この検討をすることです。

それが終了したら、何が手元にまとめ上げられているのでしょう。
成長シート。 そうです。 それが成長シートです。


業績が低迷しているときの、

   @何をやっても成果が出ない

   A何をやったら良いか分からない

   Bやっても、あまり成果が上がらない

という現状を打破するために、この成長シートが役に立ちます。


そうすると、社員は元気になります。
やるべきこと重要業務)がハッキリしたからです。

あとは、やるだけということになります。

でも、
「うちは全体の売上が落ちていて、何をすれば良いのかは、そんなに簡単に見つかるものだろうか」

経営者としては不安がありますよね。
しかし、全く問題ありません。


組織には、2:6:2の法則があって、

   〇高い業績の社員    2割

   〇普通の業績の社員   6割

   〇低い業績の社員    2割

が社内に混在しています。


今までは、これが頭痛のタネでした。
全員が優秀だったら良いのに、と嘆いたときもあるでしょうが、これが解決の糸口です。

業績の低い社員にも感謝です。
この2人の社員を分析すると、次のことが分かります。

何をすれば業績が向上するのか
つまり、優秀な社員のやっていること重要業務)が分かるのです。

逆に言うと、業績の低い社員は、これ(重要業務)をやっていないのです。


分かりやすく説明すると、業績の低い社員は、業績の上がらない業務(仕事・行動)を一生懸命やっているのです。

これでは、このまま頑張っても業績は向上しないし、自信は失うし、最後には環境やお客様が悪い、となります。

この悪循環から、業績の低い社員を救い出すためにも、この成長シートが必要なのです。

業績が向上してから人事制度づくりに着手するのではなく、
業績を向上させるために人事制度をつくる」 ということを分かってもらえたでしょうか。


もう1つ付け加えるならば、経営者の言動です。
チョットだけ、耳の痛い話をします。

成長シートがまとまったら、
経営者は 「成長シートの重要業務を徹底させることだけに注力して下さい。

いろいろ勉強される経営者は、学んだことをすぐに社内で実践させようとします。


次から次へと、実践することを指示命令されると、社員は全てを実行することはできませんから、
優先順位を勝手に決めます。 

それも、自分のやり易いことのみをやるようになります。
場合によっては、何もしなくなります。

これでは、現場を混乱させ業績向上の妨げになる恐れすらあります。
1日は24時間、仕事をする時間は限られているのです。


もし、やるべきことの優先順位が変更になったら、成長シートの中の重要業務を入れ替えて下さい。

全社で優先順位を確認できます。
だから全員一緒に完全実行が可能になります。

優先順位を決めるということは、やらなくて良いことを決めることです。
成長シートが出来上がったら、全員でその内容を確認して下さい。

そして、こう言ってください。
業績の差はやっていることの差です
全員、この中のやるべきことをやって下さい


そうすると、社員はホッとします。
よーし、これをやればいいんだな


そして、ここから、

     ○社員の自己育成

     ○上司の教育指導

が始まるのです


業績が向上しない社員は業績が向上することをやっていない、という理解の仕方は、上司と部下のコミュニケーションの状態も良くします。

「やる気」 の問題にしたら、一方通行で終わりです。

「やる気を出せ」
これからは、この掛け声はやめてもらいたいものです。




「人事制度の仕組みづくり」 で社員の成長と業績向上の支援をいたします。
お気軽にご相談ください。


新・人事制度研究会/近藤経営労務事務所
          社会保険労務士
近藤 昌浩

 


 

 

 

 

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