企業の中の仕組みの最終ゴールは、全て業績を向上させることです。
もちろん人事制度も同様です。
それに気がつかない限りは、組織運営に役に立つ人事制度は作れません。
そして、人事制度の完成度について判定する尺度も持てないのです。
だからこそ、一貫して“人事制度(社員を成長させる仕組み)をつくって業績を向上させよう”と説明しています。
しかし、社員を成長させる仕組みをつくれば、何故、業績が向上するのかがイメージできない方も多いようですので、もう一度その点を確認します。
これを、中長期と短期に分けて説明します。
まず、中長期にわたって業績を向上させるためには、環境適応することです。
一言でいえば時流対応です。
その時代の時流に乗ることが出来れば、業績は簡単に向上します。
この時は、お客様が自ら手を上げて商品・サービスを購入してくれます。
お客様を探す努力はあまり必要ありません。
その対応の仕組みを作り上げた企業が、ダントツの収益率を実現します。
そのために、中長期にわたる経営環境の変化を見極めることができるかどうかが経営者の重要業務になります。
現在の業種業態にこだわっていると見誤ります。
次は短期的に業績を向上させるためにはどうするかです。
このメルマガを読んでいるあなたにご質問します。
「さて、短期的に業績を向上させるにはどうしたら良いでしょう?」
ここで、必ず答えを出してから次の文章を読んでください。
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どうでしょう。簡単ですね。
「社員はやるべきことをやり切ること」
「管理者は社員のやるべきことをやり切らせること」
あなたの答えはこうなりませんでしたか?
何も難しいことではありません。
成果を上げている社員は、このやるべきことをやり切っているから、成果を上げています。
この成果を上げている社員だって、同じ人間です、スーパーマンではないでしょう。
「では、どうして、他の社員は同じように成果が上がらないのだろう」
こう悩んで、会議やミーティングの場で成果の上がっていない社員に質問するケースがあります。
これは、効果はありません。
この成果の低い社員には、2つのパターンがあります。
@ 「やるべきこと」 を理解していない。 つまりやるべきことが分からない。
A 「やるべきこと」 を上手に出来ない。
このどちらかです。
この2つのパターンに当てはまる社員に成果の低い理由を聞いても、正しい答えが返ってくることは期待できません。
では、この社員をどうやって指導するかです。
これが問題です。
いえ、すでに指導の内容は決まっています。
@ 「やるべきこと」 を理解させる
A 「やるべきこと」 を上手に実行させる
この順序で指導するのです。
その指導の資料が “成長シート” です。
この成長シートには、
A.期待成果
B.重要業務(やるべきこと)
が記載されています。
その成長シートを使って、管理者が社員を指導するのです。
「君の成果が低いのは、やるべきことをやっていないからだ」
と説明することです。
これを理解させて、やるべきことをやり切らせることです。
やるべきことをやったら、成果は必ず向上します。
「それを管理者は出来ていません」
そういう場合は、管理者のやるべきことの1つである部下指導、または教育指導ということがやられていません。
これを経営者が指導するのです。
この 「やるべきことの徹底を組織的に出来るかどうか」 で組織全体の成果は決まります。
ここで最後に、もう1つ質問しましょう。
「あなたの会社では、やるべきことが周知徹底されていますか」
「それは、今すぐ、ここで説明できますか」
「誰が説明しても同じ内容ですか」
うーん、と唸ってしまう経営者が多いのです。
これでは徹底しようにも、徹底しようがないです。
「経営計画書」 と答える方もいるでしょうが、そこには、社員個人としてのやるべきことまで明確にはなっていません。
やはり、答えは “成長シート” です。
この成長シートを使って、全員100点とるまで運用・活用するのです。
全員100点とるまで毎日、毎月、同じ内容で指導することです。
その結果の業績がどうなっているかは、想像がつくでしょう。
この成長シートを中心として成長支援制度が運用できれば、
〇賃金制度
〇昇進昇格制度
〇教育制度
が機能します。
これが、社員を成長させる仕組みであり、人事制度であり、それを上手に運用して、業績を向上させようということなのです。
お気軽にご相談ください。
新・人事制度研究会/近藤経営労務事務所
社会保険労務士 近藤 昌浩
