成果を上げるための重要業務の抽出は、良く考えると悩んでしまうことが多いようです。
このことを考えてみましょう。
一般的には、どこの会社でも営業職の成果項目は売上高です。
だから営業会議でも 「売上を上げろ」 となります。
ところが、この売上を上げるためには、若干の分析が必要です。
まずは売上高を分けると2つに分けられます。
〇既存顧客の売上高
〇新規顧客の売上高
この既存顧客の売上高を上げるためには、 更にいくつかに分解できます。
〇既存顧客の継続率の向上
※前月(前年)の既存顧客が、次月(次年)も購入してくれたら100%になります。
〇既存顧客のシェア率の向上
※取引先企業が販売しているA商品を取り扱っている商社は数社あるが、
我が社の商品のみを仕入れてくれたらシェア率100%です。
さらに、新規顧客の売上高を上げるためには、いくつかに分解できます。
〇新規顧客の増大
〇新規顧客のシェア率の向上
このように、単に売上高を上げるという大きな成果項目を設定するよりも、社員の業務(行動)をイメージしやすいものにブレークダウンすることがコツです。
そうすると、重要業務は特定化しやすくなります。
例えば、次の通りです。
【期待成果】 【重要業務】
@ 既存顧客継続率 → ?
A 既存顧客シェア率 → ?
B 新規顧客獲得数 → ?
C 新規顧客シェア率 → ?
上記のように分解して、営業社員の@〜Cのデータを比較します。
その比較分析の中から重要業務が見えてきます。
この重要業務の遂行度の差が、この期待成果実現度の差になっています。
これを理解すれば、社員の指導は楽になります。
例えば、小売業の場合で考えると、
売上高は、客数(A) × 客単価 であることが分かります。
客単価を分析すると、お客様1人当り買上点数(B) × 商品1点当りの単価(C) です。
ここまで分析すると、業務(重要業務)が見えてきます。
成果項目も具体的になります。
いま多くの企業が、この分析をして成果を上げています。
スーパー等の小売業界でも共通することですが、
売上を上げるために (A) (B) (C) をそれぞれ向上させることです。
しかし、(A) (B) (C) の重要業務は異なります。
例えば、お客様1人当り買上点数 (B) について説明すると、
(B) の数値の高い店舗は、
〇品質管理
〇作業段取り
〇販売業務
の重要業務が徹底実行されているのです。
この数値が低い店舗には、当然ながら問題がありました。
これを
〇本人(店長)が、問題だと気付き
〇本人(店長)が、この業務を実行し
〇上司が指導する
という手順で取り組みました。
これだけで、どのくらいの効果があったかを想像できますか?
お客様1人当りの買上点数が 1.5倍になりました。
これは、売上高は 1.5倍になるということですよ。
例えば、「売上を上げろ」 という上司の指導では、「頑張っています」 という部下の答えしか返ってきません。
これでは、業績は向上しないことがお分かりでしょう。
この分析は、問題解決にも応用できますので活用して下さい。
「人事制度」 で、社員の成長 と 業績向上の支援をいたします。
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近藤経営労務事務所/新・人事制度研究会
社会保険労務士 近藤 昌浩