米国テキサス州ダラスにサウスウエスト航空という会社があります。
この会社は、米航空会社で唯一、アメリカ同時多発テロ事件の悪影響をレイオフなしで乗り越えた航空会社として有名です。
2015年1−3月期の売上高は44億1000万ドル(6%増)、純利益は4億5300万ドル(約3倍)と好業績で、株価も絶好調です。
すべての航空会社が同じように厳しい経営環境の中で、サウスウエスト航空だけ業績が良い理由はいろいろありますが、最大の理由は、社員第一主義であるという認識は一般的に一致しています。
しかし、1998年のケレハー社長の株主総会でのスピーチは、顧客第一主義ではなく、
「社員第一、顧客第二」 と解釈できる発言に驚いた経営者も多かっただろうと推測できます。
この会社で働く社員は 「Happy Employee(幸せな社員たち)」 と呼ばれています。
最近の経営者の発言で最も多いのは、顧客第一主義、または顧客満足度だと感じています。
顧客の満足がなければ、お客様はさっさと競合他社へ行ってしまう時代ですから、もっともなことです。
多くの会社では、経営計画書に顧客第一主義の言葉を盛り込んでいます。
そのために何をなすべきか、細かく記入している例も少なくありません。
しかし、何か違和感があるのです。
顧客を満足させることを 「やらされている」 という感じがします。
それは、顧客第一主義が社長の立場で表現されているからです。
顧客を満足させるのは、社員の仕事というより、社員の喜びだと私は考えています。
お客様に喜んでもらってご購入いただいて、そのうえ、「ありがとう」 と感謝される。
今度は、どのようにお客様に喜んでもらおうかと考えて実行できるのは、お客様と接する現場第一線の社員の特権だとすら考えていますが、言い過ぎでしょうか。
そうでなければ、社員にどのようにお客様に喜んでもらったかを発表し、自慢し合っても良いですね。
それは社員の誇りです。
そんな気持ちで働けるよう、もっと現場に権限を与えることを検討すべきです。
サウスウエスト航空の社長は、
「私は、我が社員達のことをとてもとても誇りに思っています」 と言ったそうです。
社長が社員第一主義と考えている会社の社員は、現場第一主義と考えています。
これは、今までの仕事の中で私が得た経験法則です。
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近藤経営労務事務所/新・人事制度研究会
社会保険労務士 近藤 昌浩
