人事制度ができ上がり、多くの企業が運用しています。
今まで人事制度は、
社員を成長させる仕組みであり、
結果として、
業績を向上させることになると申し上げてきました。
その通りであり、その言葉にうそ偽りはありません。
人事制度を運用し始めると組織が落ち着いてきます。
1つの目標に一致団結して動き出します。
○我社は、やればやっただけ評価される。
○そして、評価が処遇にリンクされる。
組織運営では当たり前のことのように行われるようになります。
そこには、
○近道
○抜け道
もないことが分かり始めます。
そうすると、社員はじっくりとそれぞれの自分の業務に腰を据えて取り組むようになります。
20数年前にチェーンストア経営コンサルタントの第一人者である渥美俊一先生に聞いた、新入社員の望ましい人材像を思い出します。
『鈍重がいい。ケツが重くて鈍い奴だ』
『小才(こさい)の利く奴はダメだ。 現場作業を頭で理解しようとするから、
35歳を過ぎると使い物にならなくなる』
正直なところ、最初は意味が分かりませんでした。
ところが、今になると分かり過ぎるくらい良く分かります。
社員を育てるには時間がかかりますよね。
現場のすべての作業を熟練するレベルまで到達するには、もっともなことです。
ところが、頭のいい社員は頭で理解するから、すぐ手を抜くんです。
そのため、作業の改善見直しが必要になると、それを頭で考えてやろうとします。
これはマネジメントスキルの問題ではありません。
第一、 創業経営者が創業時にマネジメント研修を受講して、そのスキルを修得したという話は聞いたことがありません。
また、MBAの取得とも無関係です。
ところが、創業経営者は人を育てるのが上手です
マネジメントスキルなら、社外の管理者研修より、創業経営者のマネジメントの仕方をじっくり学んだ方が100倍も良いです。
だから社員にはじっくり成長してもらった方がいいのです。
アインシュタインも言っています。
『何かを学ぶためには、自分で体験する以上に良い方法はない』
人生において、一番生産力のある年齢の20歳〜60歳の重要な40年をかけて、企業の中で成長していくのです。
40年ですよ!
急成長をことさらあおる必要などどこにもありません。
そして、この40年をかけて会社を通じて社会の役に立っていくのです。
これは地味かもしれませんが、
この素晴らしい生き方を認めることが会社として出来るかどうか、
が重要だと思います。
その価値観を埋め込んだのが人事制度といえます。
もし、御社の職能等級数が6等級なら、
1等級から何年かけて6等級になるのが標準ですか。
もし、それが9等級なら、
1等級から何年かけて9等級になるのが標準ですか。
まさか、5年や10年で最上の等級へ行けることはありませんよね。
じっくり成長することを全社員に示したことになります。
これで御社はじっくり、しかし確実に社員が成長する会社になっていきます。
ところが、
人事制度をつくることにより社員を急成長させようと考えていたとすれば、
経営者にとって何か物足りないと感じることもあるでしょう。
特に、今まで賃金の問題を個別対応していた会社であれば尚更のことでしょう。
毎月のように、この問題に振り回されてきましたから。
昨日の荒れていた海が信じられません。
これからは凪の日が続きます。
さぁーて、これからが勝負です。
人事制度の運用がしっかりと社員の成長を支えてくれます。
この状態になったら次の課題が見えてきます。
次号に続く。
「人事制度」で、社員の成長 と 業績向上 の支援をいたします。
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近藤経営労務事務所/新・人事制度研究会
社会保険労務士 近藤 昌浩