社員の大きな関心は、「自分の賃金を上げるためにはどうすれば良いのか」 です。
賃金を上げるためには、社員に成長してもらわなければなりません。
そのために、会社組織としては2つのことを明示しておくことが必要です。
1.「自己育成」 の方向性を示す
例えば、新卒社員が入社すると、この新入社員は、これから約40年間、御社の中で成長することになります。
その過程の中で、自分の適性や能力を見極めることになります。
そうしながら、自分はどのように会社を通じて社会貢献するのか考えるようになります。
会社の中で活躍することにより、1人では成し得ない大きな社会貢献です。
その自己育成を考えてもらうためには、必要なものがあります。
その1つが、階層別成長シートです。
○一般職の成長シート
○中堅職の成長シート
○管理職の成長シート
社員自身がこの会社で成長するときのメルクマール(目印)となるものです。
今までのやり方、内容で取り組んでも大きく成長することはできません。
その階層別に 「やるべきこと」 が違ってきます。
社員自身がこの会社でどのように育って・成長していくべきなのかを示さなければ、「このまま何とかなる」 という変な安心感が生まれてしまいます。
これから何をすべきかというアドバイスは、社員数が少ないときに経営者がやっていたことです。
ひとり一人に 「これからは〇〇を学んでください」 と。
しかし、社員数が増えてくると、ひとり一人への指導は不可能になってきます。
2.「教育指導」 の内容を示す
経営者の嘆きの言葉に次のようなことがあります。
「最近の管理者は部下を指導していない」
これが最近の傾向なのか、前からそうなのかは分かりませんが、部下指導の上手な管理者は少ないようです。
しかし、この傾向を嘆いている場合ではありません。
上司が部下を教育指導できなければ、その部署全体の成果は向上しないということは明白です。
上司の指導と部下の成長には、一部の例外を除いて相関関係があります。
上司の指導が的確に行われれば、部下は間違いなく成長するのです。
これを企業内では 「指導力」 とか 「マネジメント力」 とか、抽象的に呼んでいますが、
問題があります。
それは、指導の仕方をウンヌンする前に、
「何を指導するのか」 ということが明らかにされていないということです。
指導する内容が分からなくては、指導力を発揮しようがありません。
その指導する内容を明確にしたものが職種別成長シートです。
○営業職成長シート
○生産職成長シート
○物流職成長シート
○事務職成長シート
指導するというと、何か部下のすべてを指導するようなイメージがありますが、それは無理です。
すべてを指導するのであれば、部下を10人持つことは夢物語です。
マネジメントは、常に重点管理です。
部下が成果を上げるように、重要な部分を、重点的に指導するのです。
それも、部下それぞれによって指導するところが違います。
その部下に対して行う指導は、
○成果を上げるための 「重要業務」 のやり方ですか
○重要業務を行うために必要な 「知識・技術」 の習得方法ですか
○それとも、「勤務態度」 のあり方ですか
この成長シートを使うことにより、重点的、かつ継続的に指導することが可能になるのです。
お気軽にご相談ください。
近藤経営労務事務所/新・人事制度研究会
社会保険労務士 近藤 昌浩
