実現する方法が明らかになっており、誰でも実現可能なのが目標です。
この考え方で目標設定すれば、
「100%以上の実績」 は、「評価基準では 5点」 とするのが一般的でしょう。
でも、評価基準 「 5点」 が、「110%以上」 となっていたら、その目標は何を意味するのでしょう。
一考の余地ありです。
さて、熟考すべきはそれぞれの営業所(店舗)などの事業所の目標値です。
今までの事例から説明すると、次のことを忘れている場合が多いのです。
それは、
目標設定するとき、その営業所(店舗)の 所長(店長)や
社員の顔を思い出しながら、目標を設定していること
なのです。
これは無意識の中でやっています。
「彼なら、このくらいまでやれる」
「彼なら、このくらいが限界か」
「彼なら、このくらいで一杯だろう」
これは、所長(店長)・社員全員の能力判定を前提にしながら目標設定している姿が
そこにあります。
その所長(店長)の自己目標の設定としては、何も間違っていません。
しかし、例えば
次のケースが生じた場合は、どう評価し、処遇に反映させたらいいでしょうか。
〇優秀な所長(店長)の 目標売上達成率の評価 5点
〇普通の所長(店長)の 目標売上達成率の評価 5点
〇見習い所長(店長)の 目標売上達成率の評価 5点
これは現実にあったことです。
この場合、そのまま同じように 5点評価し、処遇しますか。
多くの場合は、そうしていないでしょう。
もし、所長(店長)・社員に合わせて目標設定したら、充分あり得ることです。
そこで、目標設定する場合には、次の手順を踏んでください。
@まず、全営業所(店舗)全体の売り上げ目標を明らかにする。
A次は、営業所(店舗)別の構成員(所長・店長・社員)を考えずに、
その営業所(店舗)の難易度を分析する。
例えば、その難易度を決める要素は次の通りです。
・立地条件
・既存顧客数
・今後の見込客数
・マーケットシェア
・競合状態
・売場面積
・駐車場
・過去5年間の伸び率 など・・・
難易度を決める要素は、業種業・界よって違います。
しかし、今まで何を要素として考え、目標設定していたか分析すれば分かります。
これらを分析して、売上目標を設定するのです。
もちろん、この計算要素はオープンにします。
これによって適正に配分されると次の発表をしてください。
「今回は、営業所(店舗)別に各要素を分析し、次の目標になりました」
と発表し、どの営業所(店舗)を希望しますかと、所長に尋ねてみて下さい。
そのときに 『ある営業所(店舗)』 に集中するようなことがあったら、目標の設定が正しくなかった可能性があります。
このまま、目標達成率で評価するから
「あなたは運がいい」
という発言がインフォーマルに生じるのです。
もちろん、絶対的に正しい全体目標の各営業所(店舗)への配分はできません。
しかし、これも精度を上げていかないと所長(店長)の正しい評価もできないのです。
この考え方が定着すれば、不振店や不振部署への管理職の異動も楽になります。
その上、管理職の評価が乱高下することも少なくなります。
この急激な評価の変化により、自信喪失してしまった管理者を多く見てきましたが、
こんな失敗も防げるのです。
「人事制度」で、社員の成長 と 業績向上 の支援をいたします。
お気軽にご相談ください。
近藤経営労務事務所
社会保険労務士 近藤 昌浩
