人材育成・組織づくりのヒント / お知らせ
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作成日:2016/06/16
目標設定の具体的なやり方



 目標管理は、目標設定で決まります。

そのくらい重要なステージです。
マネジメントは設定された目標に対して、2つのチェックをします。 

 〇1つ目は、妥当性

 〇2つ目は、可能性

この2つにより、本当の目標となります。
今回は、妥当性についてのお話です。



 「昨年の売上高は6,000万円だったけど、今年は思い切って1億円を目標にするぞ」

 「前年比167%の目標だ。すごい、やる気だな」

と手放しで喜んではいけません。
その中身が問題です。

これをチェックしておかないと、
後々 「自分で設定した目標だから、何とかしろ」 だけの指導になってしまいます。

これは、ここで2つのチェックを怠ったために生じていることなのです。
この 「妥当性」 の確認は、会社によって異なります。

これからの説明を自社の目標の妥当性の確認に役立ててください。



まず、6,000万円の内容の分析です。


@ 顧客別売上高

 既存顧客売上高

5,700万円      

95% 

 新規顧客売上高

 300万円 

  5% 

  
  ※新規開拓件数12社
   
    ⇒毎月1社ずつ開拓したとして、1社月平均3.8万円の売上高


A 商品別売上高

 A商品売上高

3,000万円 

75% 

 B商品売上高

 900万円 

 C商品売上高

 600万円 

 その他売上高

1,500万円 

15% 

 


この分析内容で、今年の1億円の目標を設定すると、



@ 顧客別売上高

 既存顧客売上高

9,500万円 

95% 

 新規顧客売上高

 500万円 

 5% 



A 商品別売上高

 A商品売上高

5,000万円 

75% 

 B商品売上高

1,500万円 

 C商品売上高

1,000万円 

 その他売上高

2,500万円 

15% 


となります。



一つひとつ、妥当性を見てみましょう。



@ 顧客別売上高
 

 既存顧客売上高

9,500万円


この社員の担当する顧客数が100社だとします。
昨年は1社平均57万円です。

これが、今年は一挙に95万円となります。

この時の顧客1社当りのインストアシェア(取引先における自社商品の割合)を分析することが必要になります。

すべての顧客を分析するには、かなり時間が必要になりますので80対20の法則で、
売上上位20%、この場合は20社の状態を見てみましょう。

  A社のインストアシェア

100% 

年間 350万円 

  B社のインストアシェア

100% 

年間 330万円 

  C社のインストアシェア

 95% 

年間 300万円 

  D社のインストアシェア

 80% 

年間 290万円 


もし、上位20社のインストアシェアを100%にしたとしても、
年間売上目標9,500万円×80%=7,600万円に満たないとすれば、
妥当性のない目標になってしまいます。

少なくとも既存深耕によるインストアシェア・アップという営業戦略は役に立たなくなります。

それでは、年間100万円以上の売上を獲得できる顧客を年間48社獲得するということであれば、その目標には妥当性があるということになります。

そこで、既存顧客の売上高を7,000万円に変更することとします。




 新規顧客売上高

3,000万円


この売上高を年間48社のAランクの顧客獲得によって実現しようとすると、
毎月平均4社、月平均9.6万円の売上の顧客を獲得する必要があります。

そのとき、
1社月平均9.6万円の顧客を獲得している実績がなければ妥当性がないと判断されますが、
実際にこの社員も昨年にBクラス以上の新規顧客を3社獲得していれば、
妥当性のある目標となります。

つまり、どうやって目標達成するのか、その方法が明確になっていて、それをやり切れば達成できる目標なのかどうかを判断するということです。



もちろん、その逆もあります。
例えば、売上目標を前年度よりも低くするときです。

昨年6,000万円でありながら、今年の目標は5,400万円とする場合です。
その内容の分析をしてみます。



@    顧客別売上高

 既存顧客売上高

5,300万円 

 新規顧客売上高

  100万円


なぜ、この社員は目標を昨年より低く設定しようとしているのかが問題です。
それを分析してみましょう。

イ.既存顧客売上高

  すべての顧客のインストアシェアが下がる傾向にありました。
  そのため7%ダウンの目標にしました。

  もちろんその時の理由は、「競争が激しい」 ということかもしれません。
  もし、教育指導していない上司であれば、うっかり頷いてしまいそうです。

  しかし、しっかり指導している上司なら、次のような意見が出てくるでしょう。


上司   「君は昨年度の期間中、問い合わせに対する対応が悪いとクレームを
       もらっていたね。 その分の対応がきちんとできれば、最低でも既存
       顧客の5,700万円は実現できる。 もし、今年も前年同様の対応だと、
       5,300万円を実現することも難しいよ」

部下   「私だって、忙しい中で一生懸命対応しているのです。 限界です」

上司   
「きちんと対応するといっても、すぐお伺いしろということではないよ。
       君は、全部お客様の所へお伺いしない限り、対応ができないと思って
       いるようだが…」

部下   
「何か、他に方法があるのですか?」

上司   
「あるよ。 まず、電話をして、状況をお伺いし、電話で済むことなら
       その場で解決するんだ。 もし、お伺いすることが必要だったらお伺い
       する日程をお話しする。 それで95%は解決する。 残りの5%は、
       私に相談すればいい。 全社員で対応するよ」

部下   
「ありがとうございます。 その方法で対応します。 これでクレームが
       発生する問題も解決できそうです」

 上司   「新規の場合も……」



このように、目標設定をする時点で妥当性を確認することです。
目標を上げるにしても、下げるにしても全て根拠が必要です。






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近藤経営労務事務所
 社会保険労務士
近藤 昌浩

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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