人材育成・組織づくりのヒント / お知らせ
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作成日:2017/03/01
達成管理のやり方における3つの問題点



 営業部門というところは、業績が悪くなると一気に生産性が低下します。
その原因の1つとして、営業所長の達成管理のやり方の問題点を3つ上げることができます。



その問題点の1つ目は、
優先順位を考えた仕事の仕方が出来ていないということです。

営業所長の重要業務は、部下の教育指導です。

部下には、所長の指導なしで成果を上げる優秀な社員から、
まったく成果の上がらない社員まで、さまざまな社員がいます。



その中で、
成果の上がらない社員を教育指導することによって営業所全体の成果を上げること。

これが所長の重要業務になります。
つまり、この部下の教育指導を実施しなければ、営業所全体の目標は達成できません。

そのためには、この教育指導という重要業務を遂行してもらわねばなりません。
その決意を示すのがスケジューリングです。



1日の時間の使い方を事前に決めて、スケジューリングすることです。

営業所長のスケジュール帳には、
毎月の初めに、この部下の教育指導がスケジューリングされなければなりません。

これを確認してください

ヒマがあったら部下を教育指導するというやり方では、
いつになってもそのヒマはつくれません。

毎日忙しいのですから…。



2つ目の問題点は、
具体的な教育指導のやり方を知らないということです。

もっとも、その方法について指導されていない場合も多いようです。

その場合の教育指導の仕方は決まっています。
達成管理に関しては、次のようなやり方です。

  所長  「A君、今月売上が厳しいけれど、どうだ。目標を達成できそうか」

  A君   「ちょっと厳しいです」

  所長  「何か問題があるのか。問題があるのなら、すぐに相談しろよ」

  A君   「特に問題はありません」
        「決まると思っていた案件が、2つダメになったことが響いているだけです」

  所長  「そうか。 急いで次の案件を必ず決めてくれよ」



これでは100年経っても部下の成果を上げさせることは不可能です。
何一つ部下の成果を上げるための教育指導をしていません。

実は、管理者が部下の教育指導の時間をつくらない根本の原因がここにあるのです。

つまり、部下の教育指導の仕方を知らないために、その有効性がはかれず、
その
スケジューリングの優先順位(プライオリティ)が下がっていることです。

もし、管理者がこの部下の教育指導の時間を作ろうとしなかったら、
この教育指導の仕方の教育が必要になるでしょう。



 
まずは、部下の仕事の仕方の問題点の見つけ方を教育しなければなりません。
今すぐ管理者に、部下の仕事の仕方の問題点を聞いてください。

もし、次の答えが返ってきたら、要注意です。

   「やる気がないんです」



もちろん、やる気は大切です。
やる気がなければ成果は向上しません。

やる気を出すように指導するのが所長の仕事ですので、
その指導をするように話をすることです。

しかし、これは心の問題であり、仕事上の問題ではありません。
具体的に、仕事上の問題点が分からなければ、指導は出来ません。



例えば、
仕事上の問題点が 「情報収集が的確に出来ない」 だとします。

情報収集のできない営業社員に対して、
どんなにプレゼンテーションの話をしても無意味です。

その場面(ステップ)までたどり着いていないからです。
まず、情報収集の仕方を教えなければなりません。



それにもかかわらず、
上司が部下に問題点はあるかと聞くこと自体が問題ですね。

部下は問題点だと気づいていません。
ただ、ひたすら成果の上がらないやり方を一生懸命やっているだけです。

問題だと気がつく社員だけが解決しようと努力するのです。
さあ、では部下の仕事の仕方に問題点を見つけるにはどうしたら良いでしょうか。

この問題点を見つける方法さえ分かれば、一気に問題解決は進みます。



そして、3つ目の問題点は深刻です。

すべての会社に優秀な社員と、そうではない社員がいます。
これは絶対比較ではなく、相対比較です。

そのため、この状況は会社がある限り続くと考えた方がいいです。

3つ目の問題は、
優秀な社員が、どんな仕事の仕方をしているのか分からないことです。



評価制度づくりの最初に、評価シートをつくりますが、その時にこのことの確認をします。

ある顧問先で人事制度の支援をしていた時のことです。

 私   「御社には優秀な社員がいますね」

 社長  「います。 ダントツの成績を出しています」

 私    「それは良かった」
      「では、その社員はどんなところが優れているのでしょうか」
        「まずは、どんな仕事をしているか、明らかにしましょう」

 社長  「???… 特に、やっていることは同じですね」
      「別に変ったことをやっている訳ではあ
りません」

 私   「んー。?」
      「では、その社員は運が良いということですか。 入社以来ずーっと」



私は驚きます。
優秀なことは、その成果を見れば一目瞭然だからです。

しかし、その成果をどうやって上げているかは誰も知らないのです。
          (本人も知らないことが多いのです)

それでいて、社内では常に 「彼を見習え」 とやっています。
何を見習えばいいのでしょうか。

高い成果を上げているとすれば、
ただガムシャラに頑張ったということだけでは、その理由になりません。



このようになるのは、管理者が達成管理をしていないことにあります
優秀な社員とそうではない社員の ≪仕事の仕方の比較分析≫ をしていないのです。

成果の上がらない社員を指導する内容は、
管理者の古い昔の成功体験ではなく、
今、まさに目の前で成果を上げている社員の仕事の仕方なのです。

そのため、管理者は、
日常的に成果を上げている社員の仕事の仕方を調査分析しておかなければいけません。



その内容が成果の上がらない社員への指導に使用されるのです。
もちろん、成果の上がらない社員が知りたいのも、その内容なのです。

これが分からなくては部下の指導は出来ないのです。
あなたの会社でも、そのことを調べてください。

営業部長がいるのならば、今すぐ、次のような指示を与えてください。

  「優秀な社員S君は、どのような仕事をしているのか、具体的に調べてくれ」

達成管理をすれば、これが日々分かるようになります。
これが目標管理です。



次回は、
達成管理のイメージを掴んでもらうために、
成功事例をご紹介します。 
お楽しみに!





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近藤経営労務事務所/新・人事制度研究会
          社会保険労務士
近藤 昌浩

 




 

 

 

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