御社でも業績評価を月に1回は実施されていると思います。
○営業会議
○販売会議
○店長会議
○所長会議 など…
これらの会議では、業績評価をしています。
しかし、この業績評価をする目的が不明確なことが多いのです。
その最たるものが、業績の悪い理由・原因の追究を目的としていることです。
原因が特定できるまでその追求は延々と続きます。
その対象者は業績の良くなかった社員(管理者)です。
この会議には1つのパターンがあります。
「どうしてこの結果なんだ」 から始まり、
最後には 「そんな言い訳するな」 で終わることになります。
その間、他の出席者は黙ってその成り行きを聞いています。
原因を聞かれている社員(管理者)と、
聞いている議長(担当責任者)の2人だけのやり取りです。
このやり取りが他の出席者の役に立ったことは一度もありません。
ほとんど全員がこの会議が早く終わることだけを考えています。
これは時間の無駄です。
この無駄は大きいです。
それは出席者の 1時間当たりの人件費×人数 で算出すれば分かることです。
それでも、そのまま続けているのは、それ以外の業績評価の仕方を知らないからでしょう。
業績評価をするときに、達成率評価を活用するケースがあります。
「君のところは達成率が110%だ」
「君のところは達成率が95%だ」
これを業績評価の席上で発表して、ここから問題点を見出そうとすることがあります。
目標設定自体に出席者全員が納得していない場合は最悪のケースです。
目標達成できない理由は、「目標が高かったから」 と考えてしまうからです。
もっとも、このことを口に出すことは少ないでしょう。
しかし、次の質問からは何も生まれてきません。
「君のところの達成率が80%なのはどうしてなのだ」
目標達成率というのは、
非常に分かりやすく、使いやすい業績評価指標ですが、
達成率それだけで、それ以上の何も教えてくれません。
この目標達成率では、質問に答えるほうも答えられないのです。
実は、月に1回のこの会議の場で、「目標達成率が低い」 と未達成を指摘
している幹部のほうにこそ問題があります。
私は今まで多くの顧問先の業績評価会議に出席しましたが、
その目標達成率が低いと叱っている幹部のほうに質問してみることがあります。
その叱っている営業部長さんに、次のような質問を3つするのです。
1つは、この目標達成率が低いということを、いつの時点で知りましたか。
今日ですか、それとももっと前ですか。
2つ目は、この目標達成率が100%にならなかったのは、
何(重要業務)が実施されていなかったからなのかを教えてください。
最近は嫌がられるので、3つ目は質問しなくなりました。
「この目標達成率を100%にするための最高責任者は営業部長さんですね」
「だから、100%にするための指導をいつもされてきたことでしょう」
「どのような指導をしてこられましたか」
この質問をすると、例外なく嫌な顔をされます。
しかし、これに答えられない限りは、
その組織全体の目標達成率は100%を超えることはないでしょう。
ある幹部の答えた内容は次のとおりでした。
「そんなこと簡単には答えられません」
これでは今月も達成率100%は難しいでしょう。
簡単に答えられなければなりません。
その答えは達成率を比較しても分からないのです。
今月の業績を向上させる基となるもの、それは 「優れた仕事の仕方」 です。
これが今月の全体の業績向上を約束してくれるのです。
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近藤経営労務事務所会
社会保険労務士・人事コンサルタント 近藤 昌浩