重要業務の評価点数の違いを説明します。
5点と 4点の違い
5点の場合は、常に優れたやり方でその重要業務を実施している。
つまり、「常に」 がポイントです。
そして、もう1つあります。
それは 「他に教えていた」 です。
これは 「指導していた」 でも結構です。
本来であれば、この 「教えていた」 は自分の成果を上げるためには、
評価基準の内容としてはふさわしくありません。
では、どうしてこのように表現するのか。
理由は 3つあります。
1つ目は、
優秀な社員は、他に教えることによって、更に優秀になるのです。
そのことを教えるためです。
現在の自分のやっていることを他の社員へ教えることによって、
損をするからと言って拒否する場合があります。
これでは、一生、現在のやり方を守ることになります。
その優れたやり方を積極的に出すことによって初めて、
新しいやり方に挑戦できるようになるのです。
永続的な成長をするためには、この考えを指導し、行動させることです。
2つ目は、
優れた仕事の仕方を常に明らかにするためです。
そして、そのやり方を積極的に社内に取り入れ、広く行われるようにするのです。
成果が高い社員は、重要業務を優れたやり方でやっていると考えられます。
その優秀な社員は、その重要業務の自己評価を5点とするでしょう。
しかし、それを上司も 5点とする場合には、その内容の確認が前提になります。
「何をやっているの?」 という上司(管理者)の質問に答えられなければ、
その評価要素は 4点、または 3点になります。
部下から、
「私は〇〇〇〇というやり方でやっています。これが良い成果を生んでいると思います」
と確認してから、
「それなら、5点ですね」 とすることです。
ここを基点に、優れたやり方という情報の共有化、そして管理者の指導内容となります。
3つ目は、
優秀な社員の次のステップアップを考えているためです。
通常は優秀な社員であること。
つまり、自分で高い成果を上げることが評価されて、昇格します。
一般職の範囲であれば、さほど問題にはなりませんが、中堅職になると別の問題が発生します。
中堅職は、
○ 自分で成果を上げること(プレイング)
○ 指導で部下の成果を上げること(マネジメント)
の2つの業務を行うことになります。
中堅職になったら、
突然、部下指導(重要業務)が発生したが、「部下指導はどうやるの」 とならないために、
一般職の段階から、
同僚・部下・後輩・若手に仕事を教える習慣を身に着けさせなければなりません。
「教えることは難しい」 という経験を早期にさせることです。
これは貴重な経験になります。
ピーター・ドラッカーは、
「人に教え学ぶことに勝る学習はない」 と言っています。
どんなに素晴らしいことを教えようとしても、
そこには、人間関係が構築されなければ、その効果は期待できないのです。
それを学んでもらうのです。
いくら教えることが優れたやり方だからと言っても
「はい、そうですか」 と受け入れられることはありません。
理論・理屈どおりにいかないのが、指導の世界です。
大いに勉強してもらうことです。
その思いが入っています。
「教えていた」 という内容を盛り込んだら、
誰も 5点が取れなくなる、という意見も少なからずあります。
でも、それは、あなたの会社が規模拡大の途中で忘れてしまった組織風土とも関係しています。
組織が少人数のときには、教え合う風土・学び合う風土があったはずです。
知っている人が知らない人に教える。
こんなことはあたり前でした。
その当時のトップは、学んでは教え、学んでは教えの連続だったことでしょう。
だから、社員1人当たりの売上も利益も高かったのです。
そうであれば、今、その組織風土を甦らせなければならないと思うのです。
4点と 3点の違い
4点の場合は、その業務の優れたやり方もわかっているということです。
私は、この 「わかる」 の説明をするときに次のような説明をします。
○知る………聞いただけで、まだ行動していない状況
○わかる……実際に行動しますが、時々うまく行かないときがあります。
しかし、この失敗は必要不可欠です。 最初からうまくいくこと
など稀だからです。 この失敗から学んで、少しずつ成功事例
が出来てくる状態が 「わかる」 です。
○できる……ほとんどと言って良いほど、失敗のない状態です。
優れたやり方を始めて、この 「わかる」 状態になったものを 4点とします。
3点は、その重要業務をやっていますが、
会社の中で優れたやり方でやらず、自分のやり方を固執している場合の評価です。
この 3点の評価の社員であれば、
その優れたやり方は 「わかる」 状態になっている場合がほとんどです。
3点と 2点の違い
3点は、日常的にその重要業務をやっています。
自分のやり方ということはあったとしても、その重要業務をやらないということはありません。
2点は、その重要業務をやったり、やらなかったりしています。
場合によっては、
成果を上げるためには、それが重要業務であると考えていないケースもあります。
2点と 1点の違い
2点は、その重要業務をやり方の違いはあるにしても、実施しています。
1点は、その重要業務をやっていない場合です。
あなたは、そんな馬鹿なことがあるの? と思われるでしょう。
でも、あります。
それは、今年入社した新入社員です。
どんなに成績優秀だとしても、入社してからの評価は違います。
その新入社員が、この重要業務は全くできないと考えるべきです。
すべての社員は、まず、1点から始まります。
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近藤経営労務事務所
社会保険労務士・人事コンサルタント 近藤 昌浩