
この過払い金請求は、そろそろ終わりに近づいてきたようです。
彼らの次のターゲットは企業に対しての時間外労働の割増賃金、
つまり、未払い残業代の請求と言われています。
すでに司法書士は、労働トラブル(未払い賃金、解雇)の電話相談の受付を始めています。
ときどき、新聞や市役所発行の広報誌などでのPR掲載を見かけるようになりました。
残業代の未払いでトラブルが起こると数十万円から一千万円単位の支払いを請求され、結果として、それを支払うことになる場合も少なくないので注意を要します。
事例を簡単にご紹介しましょう。
従業員数4人の小さな会社で、こういうことがありました。
ある日突然、従業員全員の未払い残業代として過去2年間分約900万円を請求され、それが労働審判に持ち込まれました。 その結果として約700万円を支払うことになったのです。
社長は、まさか自分の会社で、このようなことが起こるなどとは夢にも思っていなかったのでした。
従業員との関係も円満ムードでうまくいっていると信じていたのです。
その間には、人事労務のセミナーにも参加し、全く同じような事例の説明を受け、その対策も聞いてはいましたが、我が社には関係ないと高を括っていたのでした。
従業員4人の場合でこの金額ですから、従業員数が多い会社となれば数千万円以上になることも考えられます。
既に、新聞やテレビのニュースで、大手企業が数千万円から数十億円を支払うことになった、と何件も報道されたことをご存じの方も多いでしょう。
これからの時代は、サービス残業(未払い賃金)問題をおろそかにできません。
ここ数年の間に、従業員の権利意識は驚くほど非常に高まっています。
こうした労働トラブルが起こらないように、次に該当する企業は改善されることをお勧めします。
@時間外労働の残業代を支払っていない。
A時間外労働の残業代の計算方法が正確ではない。
B残業代を、ある一定の額までしか支払っていない。
C営業社員が時間外労働をしても営業手当しか支払っていない。
D名ばかり管理職(店長、課長など)の残業代を支払っていない。
E年俸制だから、その中に残業代を含んでいると思っている。
F残業代として、定額残業手当を支払っているので大丈夫だと思っている。
G今まで、長時間勤務でも何も問題が起こらなかったから将来も大丈夫だと思っている。
ここまで読んでくださったあなたが、もし経営者なら、この文面を他人事と捉えないでください。
明日は我が身という言葉がありますが、ある日突然、予想もしていない未払い残業代の請求が御社にくる可能性の高い社会環境にあることを認識すべきだと思います。
サービス残業(未払い賃金)対策は、トラブルが発生する前に、法律を駆使し、企業防衛を図ることが非常に大切です。
※ ご提案があります。
経営者の納得できる改善方法はいくつもあります。
御社の現状に沿った、“なるほど、そういうやり方があるんですね” と、
うなずける具体的な改善策を ご提案します。
お問い合わせください。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。 社会保険労務士 近藤 昌浩