マネジメントの役割・方法が変わった
マネジメントの役割・方法が変わった

 多くの商品やサービスが成長期から成熟期へ移行しつつあります。

また、すでに成熟期の真っ只中という商品やサービスもあります。

この成長期と成熟期の違いは次の通りです。


【 成長期 】
新商品や新サービスが市場に浸透してくる段階。

商品・サービスのライフサイクルでは、「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」 の4段階を経ながら、S字型のカーブが描かれます。

成長期においては、購入者が、購入の仕方や商品・サービスの使用方法に関して知恵をつけてきます。

この段階では、差別化を図ったり、自社の商品・サービスを競合他社とは違うものだと認識するよう、買い手を啓蒙する必要があります。

経営戦略としては、特定の市場セグメントのニーズに合わせて商品・サービス数を拡大する場合が多くなります。


【 成熟期 】
商品・サービスが市場に広く普及し、市場の成長が鈍る段階。

成熟期では市場規模がほぼ一定になるため、企業は、自社のシェアを最大化する動きをみせようになります。
この段階になると、少数の企業が大部分の市場シェアを獲得しています。

このような企業にとっては、シェアの維持、もしくはさらなる拡大が目標となります。
そのため、販売量拡大を狙った低価格政策がしばしば用いられることがあります。

一方、小規模な企業にとっては、生き残ることが第一の目標となります。
経営戦略としては、特定の市場セグメント
(その企業が独自の強みを発揮でき、かつ必要とされる経営資源が
それほど多くないセグメント)
をターゲットとし、そこに集中する戦略が多く見られます。

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日本の産業界をリードしてきた家電メーカーですら、商品のほとんどが成熟期の状態になってきました。
薄型テレビ自体もコモディティ化(日常品化)し、メーカーによっての差がほとんどなくなってしまいました。

他の商品についても差別化できず、基本的に値段競争に突入しているのが現状です。
結果として家電メーカーは大きな赤字を余儀なくされたばかりか、テレビ事業から撤退する家電メーカーまで現れています。


私たちはこの状況を見て、まずは自社の商品・サービスが、成熟期になっているかどうかを判断しなければなりません。
もし成熟期になっているのであれば、その成熟期に適合したマネジメントをしなければなりません。

本物のマネジメントが求められる時代、様々な形でマネジメントが語られてきました。
たくさんの書籍が本屋の店頭に並び、マネジメントをテーマにしたセミナー・研修がたくさん行われています。

しかしそれらはすべて、成長期を前提にした話です。
基本的に今の時代に通用するマネジメントであるとは思えません。
なぜならマネジメントの原語はManageだからです。 
Manageは、「部下を手足のように使う」 が本来の意味です。


部下を手足のように使う人のための理論体系がマネジメントだとすると、マネジメントの対象になった人、つまり従業員は、ただ指示命令されたことをその通りに遂行することだけが求められるといっても過言ではありません。

たとえば、かつて日本の成長産業だったスーパーマーケットでは、チェーンストア理論がもてはやされた時代がありました。
チェーンストア理論とは、本部が物事を考え現場がそれを遂行するという役割分担をする考え方のことです。

本部は常に新しいことを考え、それを元に現場を指導することによって、顧客満足度を高め、業績を向上させていこうという考え方です。
まさに使う側と使われる側、マネジメントをそのまま遂行するための役割分担と言えます。


ところが現在では、本部で考えていることを現場でやっても、すべて空回りしています。
上手く行くことはほとんどなくなりました。 マーケットが成熟したからです
残念ながらそれを補うための発想もアイディアも、本部には残っていません。

新しい時代に突入したのです。
それに対してマネジメントの本来の役割も変わりました。
今までのように、部下を手足のように使うことは有効になりません。

これからのマネジメントの役割は、現場でやっていることの共有化を推進することです。
そのように大きく舵を切らなければなりません。


「厳しい環境だ」
「業績が厳しい」
「前年対比の売上が相当割り込んでいる」

そんな状況でも、組織の中を見渡すと、すべての社員が同様に一律的に下がっているわけではありません。
会社全体で10%下がっていたとしても、社員の中には実績が前年対比を100%を超えている社員がいます。

「その社員は一体何をしているのでしょうか」 とマネジャーに尋ねても、成長期に従業員として働いていたマネジャーは、現在は何をして成果を上げているかを知りません。
昔の経験をもとに、仮説を繰り返すだけです。


なぜ成果を上げている社員がいるのか。 理由は明らかです。 
今、目の前にいる顧客のニーズを満たすための活動をしているからです。

どのように顧客を満足させているのか。
ニーズをどのように刈り取っているのか。
それが重要業務
であり、
それを優れたやり方で遂行していることで、他の社員よりも成果が多く上がっているのです。
この事実をマネジャー自らが現場で見つけ出さなければなりません。

過去の経験はほとんど役に立ちません。
成果の高い理由を、実際の現場で自ら分析することが必要です。


そして分析で得た情報をスピーディーに、
最低でも1か月に1回、
できれば毎週、
可能なら毎日、
現場にフィードバック
しなければなりません。 
つまり、情報の共有化です。

○今お客様のニーズはどう変化しているのか。
○お客様の考えはどうなってるのか。
○お客様の欲求はどう変わってきたのか。
○お客様を満たすための社員の行動はどう変わってきているのか。
○社員はどのように成果を上げているのか。

ということをすべての従業員に教育しなければならない時代が来たといえます。
そしてこれが今マネジメントをしている人たちの役割です。
教訓も訓示も必要ありません。


ましてや過去の経験を話す必要もありません。
現場がどうなっているのかをつまびらかにし、そしてそれを伝えることがマネジャーに求められていることです。

今まではこのマネジメントの役割を曖昧にしたままでも、理論体系を構築できました。
成長期だったからです。
しかしこれからは通用しません。

そもそも、経営をする中で期待成果が明らかではない業務は、改善をすることすら不可能です。
その業務をしたことによって、何の数字が変わるか分かっているから、改善ができるのです。


その点、マネジメントについては期待成果が明らかではありません。
そのためほとんどの企業でマネジメント力があれば向上するはずだと、店舗や会社の売上高や利益を期待成果にしています。

そして期待していたのとは違う方向に成長させてしまうことすらあるのです。
ダメと思えるような社員は他の部署に異動したり辞めたりするように仕向ける。
優秀だと思える社員には声を掛けて自分の元に集まるように画策する。

そのように、最初はマネジメント力を求めていたマネジャーが、変な政治力をつけてしまうことになるのです。
そのため、マネジメントは経営者の手から離れ、経営学者や経営コンサルタントに話題提供するくらいにしかなりませんでした。


しかし、マネジメントの期待成果が 「部下の成長点数」 となった瞬間から、マネジメントは輝きを取り戻すことになります。
「部下を成長させることがマネジメントである」 となるからです。

そして、部下の成長点数を高めているマネジメントの仕方そのものが何であるのかを、すべてマネージャーで共有できるようにもなります。

今までの 「部下を手足のように使って職場の成果を上げるマネジメント」 が有効であれば、部下の成長点数が高くなるでしょう。
しかし、そのマネジメントが有効でないために、部下の成長点数は高くなっていません。


ですからこれからは、現場で高い成果を上げている社員のやっていることを調査分析し、優れたやり方を特定してすべての社員に共有化してください。

社員は、現場の調査分析の結果ですから、社内にいる同僚が取った行動なので、自分にもできる行動として聞くことができます。

そして、すぐに行動を起こし、同じような高い成果を実現することができるようになります。
そして、部下が成長したことで成長点数がアップします。


部下の成長点数のアップ、これがマネジメントの成果であれば、すべての組織でマネジメントが有効になっているか、いないのかを判断することができるようになります。

マネジメントをしている社員の成長シートの成長要素にまだ部下の成長点数が入っていない場合には、検討をしてください。



※ 御社の高い成果を上げている社員と低い成果の社員の行動分析による優れたやり方の特定、その優れたやり方を全ての社員に共有化する方法を支援しています。
社員を成長させ、業績を向上させたいとお考えの方のサポートをします。 

その他の人事労務問題、労働基準法等に関する法律的なこともアドバイスいたします。
お問い合わせください。



近藤経営労務事務所
社会保険労務士 近藤昌浩  




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