会話形式で楽しく学ぶ人事労務管理の基礎講座
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文書作成日:2026/4/9
締結が必要な労使協定と労働基準監督署への届出の要否

坂本工業では、来年、社員旅行を計画しており、その費用の一部を従業員に負担してもらうことを考えている。その自己負担金を給与から控除する際の注意点を確認することにした。

 来年、従業員の慰労と親睦をかねて、社員旅行を計画しています。社員旅行の費用が高額になることから、その一部を従業員に説明し、同意してもらった上で負担してもらうことを考えていますが、問題はないでしょうか?

 なるほど。負担してもらうこと自体は問題ありません。

 具体的な取り扱いはこれから決定しますが、例えば自己負担金を10月の給与から控除することになった場合、従業員に事前に説明してから行えば問題はないでしょうか?

 従業員への説明と合わせて、「賃金控除に関する協定」の締結が必要になります。

 労使協定ですか?

 はい。給与から控除する所得税や社会保険料などは、法令により給与から控除することが認められていますので、この「賃金控除に関する協定」の締結は不要です。一方、法令で定められたもの以外のものを控除する場合は、「賃金控除に関する協定」の締結が必要です。

 昔から、親睦会費や団体保険料などを給与から控除しているので、過去に「賃金控除に関する協定」を締結しているはずですね。

 今回は社員旅行の自己負担金を追加で控除するというお話ですので、この協定を改定し、再締結することになります。

 この労使協定を再締結した場合、労働基準監督署への届出が必要ですよね。

 いいえ、こちらは、届出が不要な労使協定です。

 なるほど、届出が必要なものと不要なもので分かれるのですね。

 せっかくなので、その区分を教えてもらうことはできますか。

 承知しました。主な労使協定と、締結後の届出有無をまとめると、以下のようになります。

  1. 時間外労働・休日労働に関する労使協定(36協定) ○
  2. 賃金控除に関する労使協定 ×
  3. 一斉休憩の適用除外に関する労使協定 ×
  4. 1ヶ月単位の変形労働時間制に関する労使協定 △
  5. 1年単位の変形労働時間制に関する労使協定 ○
  6. 1週間単位の非定型的変形労働時間制に関する労使協定 ○
  7. フレックスタイム制に関する労使協定 △
  8. 事業場外労働に関する労使協定 △
  9. 年次有給休暇の計画的付与に関する労使協定 ×
  10. 年次有給休暇の時間単位付与に関する労使協定 ×
  11. 育児・介護休業等の適用除外者に関する労使協定 ×

  ※労働基準監督署への届出・・・○:必要 △:条件による ×:不要

 これらの中から、当社にとって締結が必要な労使協定があるのか、そして届出が必要なものについてはその届出がされているか、一度確認しておく必要がありますね。

 もし締結していない労使協定があれば、作成のサポートをしますのでご連絡ください。

>>次回に続く



 労使協定については、締結・届出をして終わりではなく、従業員に周知が必要です。就業規則の周知はされていても、労使協定の周知が漏れていることもあります。この機会に、周知ができているかについても確認し、問題があれば改善しましょう。

■参考リンク
厚生労働省 労働条件に関する総合サイト「使用者には法令周知義務がありますが、36協定以外の法令周知は?」

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

 

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