会話形式で楽しく学ぶ人事労務管理の基礎講座
会話形式で楽しく学ぶ人事労務管理の基礎講座
文書作成日:2026/07/09
8月1日より義務化される産業医の辞任の報告と産業医の職務

2026年8月1日より、産業医が辞任した場合に報告が義務化されることから、社労士はその解説をすることにした。

 今日は、産業医に関することでご説明しておきたいことがあります。貴社では事業場の労働者数が50人以上のため、産業医を選任されていると思いますが、この産業医の選任に関して、2026年8月1日からは辞任、解任、退任(以下、「辞任等」という)があったときに、辞任等の報告が義務となります。

 そうなのですね。

 産業医を選任した際には、所轄労働基準監督署に報告する義務がありますが、辞任等があった際には、これまで報告する義務はありませんでした。この状態では労働基準監督署として実際の状況が把握できないことから、今回、辞任等があったときの報告が義務付けられました。

 ちなみにどのように報告をするのでしょうか。

 報告の方法は、原則、電子申請となっていますが、電子申請を行う環境が整っていない場合等は、書面による報告も認められています。近年、職場におけるメンタルヘルス不調者の増加等により、産業医が会社に関わることの重要性が高まっています。いい機会ですので、改めて産業医が職務を行う中で、会社がやらなければならない事項を確認しましょう。

 産業医の職務は分かっているようで、分かっていない気がしますので、ぜひ、教えてください。

 産業医は、職場における労働者の健康管理等を行う役割として、健康診断の実施とその結果に基づく措置、長時間労働者に対する面接指導・その結果に基づく措置等の職務を担っています。産業医が労働者の健康管理等を行うにあたって、会社は必要な権限を付与し、必要な情報を提供する必要があります。

 必要な情報とは何でしょうか?

 この必要な情報とは、以下の3つです。

  1. 健康診断、長時間労働者に対する面接指導、ストレスチェックに基づく面接指導実施後の既に講じた措置または講じようとする措置の内容に関する情報(措置を講じない場合は、その旨・その理由)
  2. 時間外・休日労働時間が1ヶ月当たり80時間を超えた労働者の氏名・当該労働者に係る超えた当該時間に関する情報(高度プロフェッショナル制度対象労働者については、1週間当たりの健康管理時間が40時間を超えた場合におけるその超えた時間(健康管理時間の超過時間))
  3. 労働者の業務に関する情報であって産業医が労働者の健康管理等を適切に行うために必要と認めるもの

 日々の労務管理に関係することとしては、2.の時間外・休日労働時間に関する情報ということですね。

 そのとおりです。時間外・休日労働時間が1ヶ月当たり80時間を超えた労働者がいなかった場合は、「該当者がいなかった」という情報を産業医に提供する必要があります。

 なるほど。ということは、毎月1回、時間外・休日労働時間に関する情報を産業医に提供するということですね。この情報提供は、書面で行う必要があるのでしょうか?

 書面が望ましいとされていますが、具体的な情報提供の方法は、会社と産業医で決めておくとよいですね。

 なるほど、わかりました。

>>次回に続く



 労働者数が50人以上の事業場は産業医を選任する義務がありますが、併せて、産業医の業務の内容等を従業員に対して周知する必要があります。具体的には、産業医の業務の具体的な内容、産業医に対する健康相談の申出の方法、産業医による労働者の心身の状態に関する情報の取扱いの方法に関することになります。これらの内容を、例えばA4サイズ1枚で掲示できるようにまとめ、周知すること等が対応として考えられます。

■参考リンク
厚生労働省「産業医による労働者の健康管理等を徹底しましょう」

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

 

メールアドレスをご入力ください。
無料メルマガ
強い会社を作る人事・労務情報
   
バックナンバー
powered by まぐまぐトップページへ
   他では得られない情報を、
  あなただけにご提供します。

最新の内容は、こちらをクリック! 
「まぐまぐ!」 のメールマガジンで、
「強い会社を作る人事・労務情報」
を毎月2回 提供しています。




無料メルマガ

無料メルマガの登録
「まぐまぐ!」 のメールマガジンで、

「強い会社を作る人事・労務情報」
を毎月2回 提供しています。





■マネジメントの役割が変わった
時代に合ったマネジメント
■ 組織風土を改善するには
好ましい職場環境にしましょう
■経営課題解決の目標管理
個人目標を考えることから始める
■ 採用の失敗、どうする?
採用面接での人物判断は難しい
■
 けしからん大きな狼
デフレ不況から脱却するヒント
■優秀な社員とは?
我が社の優秀な社員像を明確に
■ 1億円のアイディア
多忙で重要業務がおろそかに
■ 時間外労働に必要な手続き
36協定を届出ていますか?
■ 未払い残業代請求の問題
残業代を請求される企業が急増
■
ホーム・介護事業の皆様へ

通常の会社とは少し違う難しさ
■ 労働・社会保険の基礎知識
入社・退職・病気・労災の手続き
■マネジメント力で定着率アップ
定着率はマネジメント力が左右

■ 社員の成長の分析の仕方
社員を育成する基になります
■ 人財成長と事業拡大のバランス
社員の成長が組織の拡大に
■ 労働分配率を改善する
1人当りの収益拡大の分析
■ 年次有給休暇の計画的付与
以外に会社が知らないメリット
■管理者の昇進・昇格は?
昇進・昇格基準をオープンに
■ 人件費総額管理を始めよう
全社員で昇給・賞与原資を確認
■ どんな成長を目指すのか
ミッションを見直す時期

お問合せ
社会保険労務士 近藤昌浩
近藤経営労務事務所
〒818-0072
福岡県太宰府市青山2丁目16番10号
 
TEL: 092-920-2108
 FAX: 092-920-2109
メールでのお問合せ