会話形式で楽しく学ぶ人事労務管理の基礎講座
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文書作成日:2026/08/13
育児休業終了日の繰上げ変更

11月に復帰予定であった育児休業中の従業員から、10月から復帰したいという相談があった。育児休業の終了日が早まるケースは初めてのため、社労士に相談することにした。

 現在、育児休業をしている従業員がおり、11月に復帰する予定でしたが、10月から保育園に子どもを預けることができそうだという話がありました。本人は、10月に復帰したいと言っているのですが、10月に復帰させる必要があるのでしょうか。

 育児休業終了日を繰り上げることはできるのかという質問ですね。結論としては、会社にはそのような理由で育児休業終了日を繰り上げて復帰させる、という義務はありません。

 会社には、従業員の希望に応じる義務はないということですね。

 はい。従業員ができるのは、育児休業を開始する日の繰上げと終了する日の繰下げです。開始する日の繰上げは、出産予定日よりも早く子どもが出生した場合や、配偶者の死亡、病気、負傷等の特別な事情がある場合にできることとされています。一方、終了する日の繰下げは、事由を問わず、1回に限りできます。

 なるほど。なぜ、今回のような終了する日の繰上げはできないのでしょうか?

 例えば、代替要員を受け入れているケースを想定すると理解しやすいかと思います。育児休業期間に代替要員を受け入れている場合、急に、終了する日を繰り上げると、その繰り上げた期間について代替要員と復帰した従業員の2名を抱えることになります。

 確かに、従業員の都合に合わせて、終了する日を繰り上げると、どのような業務に就かせるのか、調整する必要も出てきますね。そのために制度として、開始する日の繰上げと終了する日の繰下げのみが認められているのですね。

 そのとおりです。もちろん、このような難しい状況はなく、会社としても早く復帰してもらいたいということもあるでしょう。

 実際、早く復帰してもらえると会社として助かることもありますね。

 今回のように、従業員から早く復帰できないかという相談があり、会社としても復帰してもらいたいというケースであれば復帰日を繰り上げていただいても、実務上問題ないと思います。一方、今回の話とは反対になりますが、従業員からその申し出がないのに、会社から早く復帰するように促すことは、ハラスメントにつながってきます。

 なるほど。早く復帰してもらいたいと思っていても、ハラスメントの問題が出てくるということですね。

 従業員から、例えば、子どもが1歳になる日まで育児休業を取得するという申し出があれば、その日までは育児休業を取得する権利があります。

 育児休業を取得すると申し出ている人に、早く復帰するように促すのは、本人の考えと逆行しますね。

 多くの企業で人材不足で悩まれており、できれば早く復帰してもらいたいという思いは分かりますが、適正な育児休業の申し出は権利であることを踏まえる必要がありますね。

 育児休業の取得を申し出ている上長が、この前提を理解せず、早く復帰して欲しいと言ってしまう可能性があるので、注意喚起しておいた方がよさそうですね。

 そうですね。今回のケースのように、会社として終了する日の繰上げを認めてもよいという考えがある場合は、それを制度化し、育児・介護休業規程に、どのようなときに、いつまでに申し出をすることで、終了する日の繰上げを認めるのかといったルールを決めておくとよいでしょう。

 規程にルールを定めることで、運用時に困ることも減りそうですね。検討して、また不明点が出てきたら、連絡します。

>>次回に続く



 育児休業については、労使ともに当初定めた期間休業することが原則となります。法令上、繰上げや繰下げが認められているケースとその手続きを確認し、社内ルールとしても明確にしておくとよいでしょう。

■参考リンク
あかるい職場応援団「妊娠・出産、育児・介護休業等に関するハラスメントとは」

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

 

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